研究情報

西松建設、横浜国大等3者、バイオメタネーション技術の研究開発推進。開発成果が受賞(2023.12)

 西松建設㈱と国立大学法人横浜国立大学ならびに三機工業㈱は、CO2の回収・利用を実現するため、バイオメタネーション技術の研究開発に共同で取り組んでおり、本技術は、メタンへの変換にMBfRと呼ばれる膜技術を適用することで、CO2の分離精製から回収までをコンパクトに一体化した点が特徴だ。このたび、本技術の開発成果が第60回環境工学研究フォーラムの環境技術・プロジェクト賞を受賞したと発表した。

 脱炭素社会の実現に資する技術の一つとして、バイオメタネーションが注目されている。これは、水素とCO2からメタンを生産するメタネーション技術のうち、微生物(主に水素資化性メタン生成古細菌)の反応を利用するもので、原料のうち、水素については、再生可能電力による水の電気分解で確保することが共通認識となりつつある。しかし、CO2については、燃焼排ガスや消化ガス等からの回収・再利用が想定されるが、特に中小規模の排出施設に適した回収技術には課題があった。

 本技術の仕組みを図1に示す。CO2の分離精製は、シンプルな水洗(水への溶解)の原理に基づいている。水洗の後、バイオメタネーション槽で溶存CO2を水に溶けにくいメタンに変換して、気体として回収する。つまり本技術では、バイオメタネーションが「CO2の有価物への変換工程」と「溶存CO2(に由来する炭素)の不溶化による回収工程」の二つの役割を果たしている。さらに、バイオメタネーション槽にMBfRを用いるため、水素の供給に要するエネルギーが節減できるとともに、生成したメタンへの水素の残存が抑制できる。

詳しくは、→https://www.nishimatsu.co.jp/news/2023/post_101.html

 

2024-01-05 | Posted in 研究情報 |