研究情報

京大研究G、雑草が獲得した最強の除草剤抵抗性メカニズムの解明~解毒酵素の一斉活性化(2023.6)

 京都大学農学部の研究グループは、米国で見つかった多剤抵抗性を示す強害雑草タイヌビエを解析し、多剤抵抗性は除草剤を解毒する複数の酵素遺伝子の一斉活性化によることを明らかにした。近年日本で見つかった多剤抵抗性タイヌビエも類似のメカニズムを獲得していたことから、タイヌビエでは「一斉制御型の解毒型抵抗性」が生じやすいと考えられた。 

 雑草の管理には除草剤が利用されるが、同じ除草剤が繰り返し利用されると雑草が除草剤に抵抗性を獲得することがある。中でも、除草剤を解毒することで抵抗性を獲得した「解毒型抵抗性」雑草は、化学骨格が異なる複数の除草剤に対して1個体が同時に抵抗性(多剤抵抗性)を示し、効果的な除草剤がほとんど残っていないケースも知られている。しかし、作物栽培において脅威となるこうした抵抗性の詳細なメカニズムはこれまでほとんど分かっていなかった。

上)雑草がしっかり管理された水田。下)タイヌビエが蔓延した水田。収量が大きく低下する。

詳しくは、→https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-06-14-0

2023-06-15 | Posted in 研究情報 |