2018-11
環境省 バイオマスプラ開発などに2019年 50億円予算要求 No.2
日本初のG20サミットに向け、低炭素化課題を統合した新プラスチック資源循環戦略づくりへ
環境省としては、この実証事業と合わせ、注力しているのが新プラスチック資源循環戦略づくりだ。来年6月わが国初のG20サミットが開催される。その議長国として低炭素化と資源循環を統合した「プラスチック資源循環新戦略」として、環境対応したプラスチックなども組み入れ、各国をリードできるような内容のものをまとめ上げていきたい考えだ。
さてここで、先に事業概要などで語られたバイオマスプラスチック、生分解性プラスチックとは何か。その定義や主な用途、課題などを見ておきたい。(環境省資料から抜粋、詳しくは日本バイオプラスチック協会ホームページ参照)
バイオマスプラスチック
・再生可能な有機資源を材料にして作られるプラスチック。
・ポリエチレンなど通常石油から製造されるものもバイオマスから製造可能。
主な用途は非食品容器包装、衣料、電機、情報機器や自動車など
生分解性プラスチック
・微生物の働きにより分解し、最終的には水と二酸化炭素に変化する。
・土壌中で分解するものと水中で分解するものがある。
主な用途は農業・土木資材や食品残渣(生ゴミ)回収袋がメインであるが、食品容器包装分野ではバイオマスプラスチックとの2極化が進んでいるという。
この両者を合わせたものがバイオプラスチックであり、両方の性質をもつものもあり、生分解性プラスチックには石油資源由来のものもある。
これらバイオプラスチックには、国際的には次のような論点もあるという。
バイオマスプラスチックにはその原料がトウモロコシやサトウキビといった食品用途と競合するため、食料不足が伝えられる地域がある中、問題とする考え方もある。また生分解性プラスチックには海洋環境中で、ほぼ分解されると評価されているものも一部あるが、多くのものは生分解されるまでに長期間かかり、長期に渡ってマイクロプラスチック化してしまうといった問題。また分解されやすくリサイクルには不向きなためリサイクルルートで他のプラスチック素材と混在するとリサイクルの阻害要因になったり、製品によってはポイ捨てを助長し、コンポストシステム、ルールの整備されていない社会ではするゴミ問題を助長する恐れもあるという。
先だって新内閣が発足し、来年6月のわが国で初のG20会合の開催の準備も加速し始めるという。「予算については年末までに集約され、来年から国会で議論される見通しです。またプラスチック問題については、G20会合に向けて低炭素化と資源循環を統合した「プラスチック資源循環新戦略」として、各国をリードできるような内容のものをまとめ上げていきたいと考えています」
近年浮上してきた廃プラスチックの国内滞留問題や海洋のマイクロプラスチック汚染の問題なども含め、技術開発支援と新しい仕組みづくりによってどのような戦略が構築されていくか注目である。
環境省 バイオマスプラ開発などに2019年 50億円予算要求 No.1
環境省は2019年度予算の概算要求に「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」として約50億円を盛り込むことをこの8月発表した。
そして、8月下旬一部全国紙新聞紙上に「生分解プラ開発 国支援」とトップ記事に大きく報道され、いよいよ日本でも生分解性プラの普及に向けた本格的支援が始まったかと、その展望や課題について環境省リサイクル推進室にお聞きした。「この事業の中には、石油資源由来の素材をバイオマスプラスチック、紙などへの代替を図る事業を含みますが、基本的なスタンスはCO2排出削減と資源循環です。バイオマスプラスチックの中には生分解の性質をもつものを含むため、最近ニュースとなっている海洋を汚染するマイクロプラスチック問題と絡め強調されてしまったのですね。生分解性プラスチックそのものについては、まだ予算付けされていないのですが・・・」と笑いながら語る。大手新聞社の記者でも取り違えるほど、プラスチックの世界の技術、表記は複雑で、正確な理解はむずかしいようだ。ましてや一般の方にとっての理解は、見た目はほとんど変わらないものが多いため、ほとんどわからないといえるのかもしれない。
元来、プラスチックの3R、紙などへの代替は、資源・廃棄物制約、ゴミ対策、温暖化対策等の観点から国際的課題である。また、これまで年間約150万トンの廃プラスチックが資源として海外に輸出され、その多くが中国に輸出されていたものが、平成29年12月末に中国が非工業由来の廃プラスチックの禁輸を発表。今年12月末からは工業由来についても禁輸措置を拡大する予定となり、この結果廃プラスチックの国内滞留が大きな問題となっており、緊急の課題だ。
上記実証事業の基本的なスキームは下記図がイメージである。
プラスチック等のリサイクルプロセスの省CO2化実証とリサイクルが困難なプラスチック等の代替素材の生産・リサイクル省CO2システムの構築が大きな柱である。使い捨てプラスチック等の削減、バイオマスプラスチック普及によるCO2の削減が見込まれる。
地球環境問題と植物資源、バイオマスの力
地球温暖化や海洋プラスチックごみ問題などを中心とする地球環境問題は緊急の課題となっております。当社では特に石油資源から地上資源への流れの必要性が叫ばれる中、植物資源を中心とする生物資源、バイオマスの活用に焦点をあてて政策、企業活動、技術、社会課題などのレポートを発信していきたいと考えております。
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2019NEW環境展は2019.3.12~3.15 東京ビッグサイトにて開催予定
「2019NEW環境展』は2019.3.12~3.15 東京ビッグサイトにて開催予定です。
詳しくは下記公式サイトでご確認ください。
エコプロ2018は2018.12.6~8 東京ビッグサイトにて開催予定
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ホームページをリニューアルしました (2018.11.1)
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