研究情報
NEDO、バイオ由来製品実用化向け、産業用物質生産システム分野で出光興産等実証6件採択 (2022.8)
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」の中で、産業・社会に有用な物質のバイオ生産システム(産業用物質生産システム)の有効性を実証する取り組みについて、7月29日、新たに6件の研究開発を採択した。石油化学原料のバイオ化を目指すテーマや、野生植物に原料を依存する医薬品、ヘルスケア製品、香料などの有効成分について、発酵生産による工業化を目指すテーマなどに着手する。これらの研究開発を推進し、バイオによる高付加価値機能の実現や、化石資源を含む天然資源への依存低減などにつながるバイオ由来製品の実用化を加速させる。
植物や微生物などの生物を用いて物質を生産する技術(バイオものづくり)は、従来の化学プロセスに比べ、省エネルギーであるとともに、原料を化石資源に依存しないバイオマスからの物質生産も可能であるため、炭素循環型社会の実現や持続的経済成長を導くものづくりへの変革が期待できる。一方で、現状の技術ではコストに見合わないため、民間企業での研究開発や投資が促進されにくい状況だった。NEDOは2020年度から、「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」を推進している。本プロジェクトでNEDOは、バイオ資源の活用を促進する各種技術や、従来法にとらわれない次世代生産プロセスの開発に取り組む。
(事業イメージ)
採択テーマ名 |
実施予定先 |
酵母をもちいた非可食バイオマスからの油脂生産技術の開発 |
出光興産㈱ |
フロー連続単離法と増殖非依存型バイオプロセスによるローズ香料の 生産システム実証 |
高砂香料工業㈱ |
植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発 |
千代田化工建設㈱ |
有用な香料中間体の生産システム開発と実証 |
小川香料㈱ |
放線菌宿主によるカンナビノイド化合物生産システム実証 |
㈱digzyme |
高吸収型天然カロテノイドの大量生産システム実証 |
ハリマ化成㈱ |
詳しくは、→https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101562.html