研究情報

理研、エタノールにより植物の乾燥耐性の強化を発見 。-乾燥に強い肥料や技術開発に期待- (2022.8)

 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター植物ゲノム発現研究チームの関原明チームリーダー、クラーム・バシール研究員(研究当時)、戸高大輔研究員らの共同研究グループは、植物へのエタノールの投与により、乾燥ストレス耐性が強化されることを発見したと発表した。本研究成果は、農作物の乾燥耐性を強化する肥料や技術の開発への貢献が期待できるとした。

 今回、共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナを、安価で入手しやすいエタノールを投与した後、乾燥ストレスを施しました。その結果、1)気孔閉鎖が促進され、細胞内の水分損失が低減する、2)エタノール分子が植物体内に取り込まれて代謝され、糖やアミノ酸に変換されて蓄積する、3)気孔閉鎖によるCO2の取り込み低減を糖新生で補うことにより、植物成長が維持される、4)グルコシノレートなどの有用代謝産物が蓄積する、といった複合的な作用機序により、乾燥ストレス耐性が強化されることを明らかにした。また、コムギやイネなどの作物でも、エタノールによって乾燥ストレス耐性を強化できることを示した。

詳しくは、→https://www.riken.jp/press/2022/20220825_2/index.html

関連プレスリリース(植物の高温耐性)→https://www.riken.jp/press/2022/20220622_1/index.html

2022-08-27 | Posted in 研究情報 |