研究情報

出光興産、ブルーカーボン事業の創出へ米・Symbrosia社に出資・協業開始。CCUビジネスモデル検証へ(2025.12)

 出光興産㈱は、海中の CO2を吸収する効果を持つカギケノリ(赤海藻)の高度な養殖技術を持つ米国のアグリイノベーション企業Symbrosia, Inc.(ハワイ州:Symbrosia社)に出資した。出光興産は、今回の出資を通じ、北米を起点としたCCU(Carbon Capture and Utilization、CO2回収・利用)ビジネスモデルの構築を目指し、Symbrosia 社との事業連携について協議を進める。なお、今回の出資は、当社100%子会社である出光アメリカズホールディングス(IAH)を通じて行った。

 2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に向けては、大気中のCO2を吸収・除去するネガティブエミッション技術の社会実装が不可欠である。なかでも、海藻などの海洋生態系によって海中に吸収・貯蔵される炭素はブルーカーボンと呼ばれ、ネガティブエミッション技術の1つとして注目を集めている。Symbrosia 社が養殖・栽培するカギケノリは、その成長過程において多量の CO2を吸収することが確認されている。さらに、同社は独自技術により家畜用飼料添加物などのカギケノリ由来のバイオ製品も製造しており、農業や食料生産分野における生産性の向上と温室効果ガス削減への寄与が見込まれている。

 出光興産は、2023年 8月に海洋資源分野のスタートアップ企業への投資を行う Hatch Blue社(Hatch 社)に出資し、ブルーカーボン事業の創出に向けた共同検討を開始した。Hatch社との共同検討を通じてSymbrosia社に注目し、今回の出資に至った。将来的には、Symbrosia 社の高い養殖技術を活用したブルーカーボン事業の日本沿岸地域での展開を視野に入れるとともに、バイオ製品分野における培養・抽出技術や市場開拓などでの協業も検討していく考えだ。

詳しくは、→https://www.idemitsu.com/jp/news/2025/251223.pdf

2025-12-24 | Posted in 研究情報 |