トピックス,エネルギー編
出光興産、革新的なFT合成と小型モジュールによる合成燃料を製造の独・INERATEC社へ出資(2025.11)
出光興産㈱は、出光CVCを通じて、ドイツのINERATEC GmbH(INERATEC社)に出資したと発表した。
INERATEC社は、革新的なFT合成技術を有し、大規模な設備を必要としない小型モジュールにより合成燃料を製造・販売するスタートアップ企業である。 出光興産は今回の出資を通じ、FT合成と小型モジュールによる合成燃料の製造技術や知見を獲得する。これにより、原料供給・製品需要の状況に柔軟に対応できる合成燃料の供給体制の構築を検討する。 FT合成(フィッシャー・トロプシュ合成)とは、 一酸化炭素と水素の混合ガスと触媒を用いて、合成燃料を製造する技術。
合成燃料には、さまざまな種類と製造プロセスがある。出光は、合成燃料の一つであるe-メタノールを戦略的に重要な製品として位置付け、早期の社会実装に向けた検討を進めてきた。e-メタノールは、需要拡大が見込まれる船舶燃料として利用できるほか、原料としてメタノール転換を行うことにより、合成ガソリンなど各種の合成燃料や合成化学品を製造することができる。 このたび出資したINERATEC社は、出光興産がこれまで検討を進めてきたメタノールを用いた合成燃料の製造プロセスではなく、FT合成の革新的な技術を有している。一般的なFT合成プラントの場合、大型化に伴い合成燃料を製造する反応器内の温度が不均一になるため、反応効率が低くなる。一方、INERATEC社のFT合成は、独自のマイクロリアクター(小型反応器)や細かな温度制御などにより、反応効率を従来比で高めることに成功し、必要とされる合成燃料を効率よく製造することが可能である。
詳しくは、→https://www.idemitsu.com/jp/news/2025/251107.pdf
→https://www.ineratec.de/en/news/idemitsu-invests-ineratec-participate-e-fuel-roll-out
