研究情報

植物性代替卵開発のUMAMI UNITED、シリーズAで3.1億円の資金調達を実施。(2025.10)

 2025年10月27日、UMAMI UNITED㈱(東京都渋谷区)は、プレシリーズA追加調達で総額3.1億円を実施したと発表した。研究開発・海外連携強化を進め、世界の食を支える植物性代替卵の実現を目指す。

 同社は「ONE TABLEで未来を創る」をミッションに掲げ、植物性代替卵の研究開発に取り組んでいる。近年、「卵アレルギー」や「ヴィーガン」といったニーズの増加に加え、卵の「価格高騰」や「供給不安定」といった社会的課題を背景に、持続可能な代替卵への期待が世界的に一層高まっている。また鶏卵は、料理や加工食品の中で見えないところから食の品質を支える、極めて重要な素材である。「加熱凝固性」「気泡性」「乳化性」「結着性」など、他の食材では代替が難しい多様な機能を持ち、世界中の食品製造の土台を形成している。こういった卵特有の機能は、製菓・製パンをはじめとする加工食品に欠かせない要素であり、その再現には高度な科学的アプローチが求められる。

 UMAMI UNITEDは、卵の複雑な機能を科学的に分解・再構築する独自技術を強みに、世界中の多様な食品製造現場のニーズに対応する植物性代替卵を開発している。今回の調達により、独自技術の更なる研究開発および大規模生産技術の確立と、欧米諸国への事業拡大に伴い採用を強化していく考えだ。

 同社では、植物性原料を主とした熱不可逆性形成ゲル物質などの機能再現技術をさらに進化させ、グローバル市場で通用する次世代型代替卵の開発を推進し、世界の食のインフラを支える存在を目指す。さらに事業拡大フェーズとして、量産化に向けた製造拠点の立ち上げを計画している。研究開発で得られた成果を安定的かつ大規模に供給可能な体制へと移行させることで、食品産業における用途拡大を加速し、持続可能な食の未来に貢献していく考えだ。

 今回の資金調達は、日本発のフードテックスタートアップとして、研究開発力と国際展開力を強みに、世界の食の課題解決に挑むための基盤をさらに強化する。

詳しくは、→https://jp.umamiunited.com/news/25102fundraise

 

 

2025-10-28 | Posted in 研究情報 |