トピックス,エネルギー編
米・Arcadia eFuels、Hitachi Energy(日立エナジー)とデンマーク・eSAF施設向け電気インフラ供給契約締結(2025.10)
Hitachi Energy(日立エナジー)と米国のArcadia eFuelsは、デンマークのフォアディングボーグに建設予定のArcadia eFuelsの生産施設に、電力インフラを一括供給する契約を締結したと発表した。世界初の大規模eSAF生産施設の一つとなるこの施設は、持続可能な航空燃料(eSAF)の生産において、完全に再生可能電力のみで稼働し、航空業界における排出量の削減に貢献する。また、水電解を用いた240MWのグリーン水素生産設備も備えている。
施設の完全電化に必要な系統接続と蓄電池システム(BESS)はHitachi Energyが納入し、デンマークの電力系統を強化しながら、運用の安定性、信頼性、効率性を確保する。また、電気システムのエンジニアリング、調達、設置、試運転までを一貫して担当する。
「Hitachi EnergyはArcadia eFuelsにとって理想的なパートナーだ。Hitachi Energyはシステム統合のエキスパートであり、先駆的な技術、系統接続、電力変換ソリューションの提供において豊富な経験を有している。一方、当社はeSAFの製造を専門としている。大規模な再生可能エネルギー統合を実現してきたHitachi Energyの素晴らしい実績は、両社の強みを活かし、プロジェクトを成功に導く力となる」と、Arcadia eFuelsのCEO、Amy Hebert氏は述べている。
Hitachi EnergyとアルカディアeFuelsの契約により、施設の電気バックボーンが確保され、eSAFを含む年間約8万トンのeFuelsの生産をサポートし、年間推定26万トンのCO₂排出を削減できるようになる。
フォアディングボーグに建設されるこの施設は、eSAF製造に特化した世界初の大規模Power-to-Xプラントとなり、2020年代末までに稼働開始予定である。Arcadia eFuelsは、再生可能電力から製造した水素とバイオマス由来のCO2を混合することで、航空業界の脱炭素化を支援するカーボンリサイクル技術の開発を推進している。このプロジェクトは、EUの空港で使用される燃料の0.7%を2030年までにeSAFで賄い、2050年までに35%に増加させることを目標とするEUの気候変動目標を支援している。
このプロジェクトはすでに業界と政治の支援を受けており、デンマークの気候・エネルギー・公益事業大臣Lars Aagaard氏が、Arcadia eFuelsのCEO Hitachi Energy氏とともに9月に現地を訪問した。
詳しくは、→https://arcadiaefuels.com/arcadia-efuels-signs-agreement-with-hitachi-energy/
