トピックス,エネルギー編

英・Shell、ロッテルダムのバイオ燃料工場の建設を再開しないと決定。PJ競争力を再評価(2025.9)

 2025年9月3日、Shellの子会社であるShell Nederland Raffinaderij B.V.は、2022年に開始したロッテルダムのShell Energy and Chemicals Park でのバイオ燃料施設の建設計画を再開しないことを決定した。プロジェクトの競争力を再評価するための徹底的な商業的および技術的評価の結果、Shellは今後このプロジェクトを進めない。

 Shellのダウンストリーム・再生可能エネルギー・エネルギーソリューションズ担当プレジデント、Machteld de Haan氏は次のように述べている。「市場の動向と完成コストを評価した結果、このプロジェクトは、手頃な価格で低炭素製品を求めるお客様のニーズを満たすには競争力が不十分であることが明らかになった。これは難しい決断だったが、お客様のニーズと株主価値の両方を実現するプロジェクトへの資本を優先しているため、正しい決断だった」

「バイオ燃料を含む低炭素分子が、将来のエネルギーシステムの基盤となると私たちは引き続き信じている。シェルは、持続可能な航空燃料(SAF)を含むバイオ燃料の世界最大級の取引業者およびサプライヤーとして、この業界とその発展の最前線に立っている」とMachteld de Haan氏は述べた。

 Shellは、エネルギー転換を通じて投資先として、そして選ばれるパートナーとなるために、積極的に活動している。2023年から2024年にかけて、Shellは発電、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、水素、低炭素燃料など、低炭素化の選択肢に80億米ドルを投資した。2024年には、Shellは100億リットル以上の低炭素燃料を取引し、その販売量は生産量の10倍に達した。同年、シェルは世界有数のSAF(低炭素燃料)サプライヤーとなった。

 オランダはShellにとって依然として重要な拠点であり、石油・ガスの上流生産から小売拠点ネットワークに至るまで、エネルギーシステム全体にわたる事業を展開している。近年、Shellはオランダにおける幅広いエネルギー転換プロジェクトに65億ユーロを投資してきた。これには、ポルトスCCSプロジェクトによるCO2貯留の実現、Holland Hydrogen 1における再生可能水素の開発、Shell Chemicals Park Moerdijkにおける新炉の設置と主要製造プロセスの電動化が含まれる。

詳しくは、→https://www.shell.com/news-and-insights/newsroom/news-and-media-releases/2025/shell-not-restart-construction-rotterdam-biofuels-plant.html

2025-09-04 | Posted in エネルギー編, トピックス |