研究情報
滋賀大と理研、環境要因の長期栽培作物の収穫量への影響について統計モデルで定量化に成功(2024.9)
滋賀大学と理化学研究所は、園芸作物の生育メカニズムをデータから明らかにするための研究に取り組んでいる。日射量や気温などの要因が作物の収穫量に大きく寄与するが、イチゴやトマトのような収穫可能な時期が長期にわたる作物は生育時期によってこれらの関係が変化するため、収穫量を精度よく予測する手法が求められていた。今回、関数データ解析手法の一つである変化係数関数回帰モデルを栽培データ分析に適用することで、収穫量への寄与の定量化に成功した。
園芸作物の収量予測は、農家にとって売り上げや出荷量の判断基準に関わる重要な課題だ。しかし、作物の生育には気象条件や生育環境が複雑に絡み合うため、これらの関係性を明らかにすることは困難とされている。特に、トマトやイチゴといった長期にわたり栽培される作物は、生育時期によってもこの関係が変化することから、収穫量を精度良く予測するための方法の開発が求められている。
収穫量に関わるとされている環境要因との関係、さらにその季節変化までを考慮に入れて表現するための統計モデルとして、関数データ解析手法の一つである変化係数関数回帰モデルを適用する方法を提案した。提案した方法をトマトやイチゴといった長期栽培のデータ分析に適用することで、収穫日から遡った数十日の環境要因が、季節に応じていつ、どのように収穫量に寄与しているかを定量化することに成功した。
詳しくは、→https://www.shiga-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024pr_20240912.pdf
2024-09-18 | Posted in 研究情報 |