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欧・環境NGO、セルビアで進む、独・国営開発銀行・KfWの木質バイオマス投資の停止要求(2024.7)
西バルカン諸国、ドイツ、そしてヨーロッパ全土の41の環境団体が、森林劣化のリスクを回避し、セルビアが高炭素エネルギー源へのさらなる依存に陥ることを防ぐため、ドイツの国営開発銀行であるKfWに対し、セルビアの木質バイオマスエネルギーへの融資を停止するよう要請した。
KfWは、2017年に開始された、現在物議を醸している3,200万ユーロの南東ヨーロッパの再生可能エネルギープログラム、そしてセルビアのバイオマス市場の開発の主な資金提供者である。このプログラムにより、セルビアの4つの自治体に4つの熱電併給(CHP)プラントが建設され、それぞれに木材ボイラーとより大きな化石燃料ボイラーが備えられている。2024年5月14日、KfWは、さらに6つの自治体にある6つの木質バイオマスプラントに対して、さらに990万ユーロの融資を行う2つの新規契約を承認した。第2フェーズの契約の詳細は明らかにされていない。
KfW によるセルビアの木質バイオエネルギーへの融資は、温室効果ガスの排出削減と公正な移行の支援を目的とした連邦経済協力開発省 (BMZ) の資金から賄われている。しかし、計画されている投資はセルビアの森林を脅かし、森林が支える多様な野生生物や生態系に影響を与え、既存の高レベルの大気汚染を悪化させる。書簡が指摘しているように、セルビアでは違法伐採が蔓延しており、森林と、森林に依存するすべての哺乳類、鳥類、菌類、その他の生命体を保護するための適切な法的および行政的枠組みは存在しない。
2021年に500人の科学者が公開書簡で、バイオエネルギー用の木材の伐採が増えると「数十年から数世紀にわたって温暖化が進むだろう。これは、木材が石炭、石油、天然ガスに取って代わった場合でも当てはまる」と警告した。さらに、その「気候資金」の一部は、木材燃焼ボイラーの隣に新しい化石燃料ボイラーを建設するために使用されているのである。
送付書簡→https://bankwatch.org/wp-content/uploads/2024/07/Open-Letter-to-KfW-English-version.pdf