研究情報

兼松、名大発・TOWINGと共同で、 高機能バイオ炭の国内及び米国での普及拡大へ(2024.7)

 兼松㈱と名古屋大学発スタートアップ・高機能バイオ炭開発の㈱TOWING(名古屋市千種区)は、兼松グループのネットワークを活かし、TOWINGが生産する高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」の日本国内、また米国での普及拡大に向けて取組みを開始した。
 米国では、食品大豆の種子開発、契約栽培、選別、販売業務を行う、KG Agri Products, Inc.(KAPI)が保有する米オハイオ州の大豆実験圃場において、国外初の試みとして「宙炭(そらたん)」の試験導入を開始した。
 日本国内では、兼松アグリテック㈱と共に、農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」に沿った化学肥料の使用量低減および有機農業の拡大に資する取組みとして、国内市場を対象とした、有機配合肥料と高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」のセット販売を開始した。
 
 兼松とTOWINGは、2023年9月には脱炭素経営EXPOに共同で出展するなど、これまでも日本国内で協業してきた。今回、兼松が保有する大豆加工事業者であるKAPIと協業することにより、周辺の農地にTOWINGの高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を普及させ、ソイル・ヘルスの向上や炭素貯留を図る。また、KAPIにおいては契約農家に対する「宙炭」の導入提案により、ソイル・ヘルスを向上させ、生産性向上につなげることを目的としている。KAPIが保有する米オハイオ州の大豆実験圃場向けに2024年5月より実証実験を開始し、一定の成果をもってより広範囲な実証へと移行していく考えだ。

 なお、ソイルヘルス(soil health:土壌の健康)とは、農研機構のサイトによると、土壌が重要な生きた生態系として機能するための継続的な能力のことであり、それは、生物の生産性を持続させ、大気と水の質を向上させ、植物、動物及び人間の健康を維持するもの、と定義されている。→https://www.naro.go.jp/event/list/2024/01/161006.html

KAPIでの散布作業の様子

詳しくは、→https://www.kanematsu.co.jp/press/release/20240729_release_3                   

2024-07-29 | Posted in 研究情報 |