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日本沿岸域に生息の海洋植物によるCO2吸収量(約35万トン)を国連に報告。海藻藻場によるCO2吸収量の報告は世界初(2024.4)
国連気候変動枠組条約の締約国は、毎年4月に各国のGHG排出・吸収量を国連に報告することとなっている。
本年4月の報告において、ブルーカーボン生態系の一つである海草(うみくさ)藻場及び海藻(かいそう)藻場による吸収量を日本として初めて盛り込んだ。このうち、海藻藻場については締約国の中で初めて報告したこととなり、世界初の取組になる。
●国土交通省では、GHGの拡大によるカーボンニュートラルの実現への貢献や生物多様性による豊かな海の実現を目指し、ブルーカーボンの活用を推進している。
●昨年度、国土交通省と国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所は、日本の沿岸域における藻場の繁茂面積の推計手法を開発した。この推計手法に加え、農林水産省が開発した藻場タイプ別の吸収係数も活用して、2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量において、藻場による吸収量を合計約35万トンと算定した。
●本年4月の国連への温室効果ガス排出・吸収量の報告において、我が国として初めて藻場による吸収量を盛り込んだ。ブルーカーボンに該当する吸収量を国連に報告している国(先進国でも豪州、米国、英国、マルタの4か国のみ)はありますが、海藻藻場については日本が世界で初めての報告となる。
●国土交通省では並行して、グリーンレーザーを搭載したドローンを含む、藻場の繁茂面積を高精度かつ効率的に把握・管理するシステムの開発を進めている。これにより、現在は捕捉できていない藻場を算定対象とすることができるようになる。引き続き、関係機関と連携し、藻場の繁茂面積及び吸収量の算定手法の高精度化に取り組んでいく考えだ。
詳しくは、→https://www.mlit.go.jp/report/press/port06_hh_000290.html