研究情報

スイス・Climeworks社とCarbfix社、 Puro.earth社と提携。CDRサービスのPuro Standardに基づく認証へ(2023.9)

 大気中のCO2回収技術を開発するスイスのスタートアップ企業のClimeworks社、貯留パートナーのCarbfix社、フィンランド・Puro社 は、Puro Standard に基づく Climeworks の DAC+S サービスの認証を目的とした新たな提携を発表した。可能な限り最高品質のCDRを顧客に提供するという Climeworks社の取り組みの一環である。

 これまで、Climeworks社 と Carbfix社 が業界の監視、報告、検証(MRV)標準を推進するために取り組みを進めてきたが、これに続くステップであり、直接大気捕捉および貯蔵(DAC+S)プロセスをカバーする方法論の開発である。 2022 年にDNVによる第三者検証を行ったが、Puro.earth との新たなパートナーシップにより、DAC+S の標準化がさらに推進され、Climeworks社 の CDRサービスが自主的な炭素市場の全体的な再構築と連携して、より高い品質要件が求められるようになる。

急成長するCDR市場における2 つの前進であると考えている。

1) Climeworks CDR サービスの最高品質を保証するために DAC+S の標準化を推進する
 Orcaプロジェクトは、現時点で永久地中貯蔵による直接大気回収に基づく世界で唯一の現在進行中の商業CDR プロジェクト。このプロジェクトで得た2年間の運用経験に基づいて、Climeworks社 の CDR サービスが認証に向けて移行する。Climeworks社 は、Puro.earth社標準が独自性をもち、エンジニアリングされた CDR 手法に焦点を当てていることに適合しているため、これに取り組むことを選択した。

2) 一般的な自主的な炭素市場の再構築と品質要件との調整
 ここ数カ月間、自主炭素市場(VCM)は論争や追加の品質保護策の要求が行われてきた。Climeworks社 は、VCM のより高い品質要件に貢献することに取り組んでいる。また、同社は、自主炭素市場健全性評議会 (IC-VCM) や自主炭素市場健全性イニシアチブ (VCMI) など、市場の健全性の向上を目指すさまざまな取り組みに取り組んでいる。
 Puro Standard はInternational Carbon Reduction and Offset Alliance (ICROA ) によって承認されているため、Climeworks社はその認証を得る予定である。

詳しくは、→https://climeworks.com/news/climeworks-announces-collaboration-with-puro.earth               関連情報→https://puro.earth/

2023-09-19 | Posted in 研究情報 |