研究情報

東大研究G、人工光合成向け新手法開発。プラスとマイナスの2分子が補完し光触媒機能高める(2023.7)

 東京大学の研究グループは、人工光合成技術の開発に必要な「優れた可視光吸収能力」と「高耐久性」を同時に満たす光増感剤の新しい開発指針を見出したと発表した。

 太陽光エネルギーでCO2を還元して再資源化する技術である人工光合成の実用化が望まれている。そのためには、光を吸収して電子源から触媒に電子を受け渡す働きを持つ光増感剤の高性能化が鍵となる。これまでは1種類の分子に光増感剤としての役割を担わせる方法が一般的だったが、1種類の分子に優れた可視光吸収能力や耐久性などの複数の特長を持たせることには限りがあった。本研究では、物性制御しやすいイリジウム(Ir)錯体を光増感剤として利用し、プラスとマイナスの2種類のIr錯体をペアにしてお互いの機能を補わせて性能を高めることに成功した。本手法はIr錯体に限らず、地球上に豊富に存在する金属の錯体や金属を含まない有機化合物への応用展開も期待でき、カーボンニュートラルに資する人工光合成技術の開発に貢献できるとした。

本研究で開発した手法のイメージ図

詳しくは、→https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00085.html

 

2023-07-08 | Posted in 研究情報 |