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大阪ガスとIHI等、マレーシアでバイオマスを活用したe-メタン製造事業の詳細検討開始(2023.4)
大阪ガス㈱は、㈱IHI、マレーシアの大手国営ガス・石油供給事業者Petroliam Nasional Berhadの技術ソリューション部門であるPETRONAS Global Technical Solutions Sdn. Bhd.(ペトロナス)と、マレーシアにおいてバイオマスである未利用森林資源や農業残渣を活用したe-methane(e-メタン)製造事業の基本設計の実施判断に向けた詳細検討を開始するための覚書を締結した。
本事業では、バイオマスガス化技術とメタネーション技術を組み合わせた新たな方式により、再生可能エネルギー電力の価格に影響されないe-メタンの製造を目指す。
従来、e-メタンの製造方法としては、再エネ電力をエネルギー源にして製造された水素を原料に用いてメタネーションする方式が知られている。この方式は、再エネ電力の価格が製造コストの大きな割合を占めるため、安価な再エネ電力を調達することが重要とされている。そこで本検討においては、再エネ電力の価格に影響されない、バイオマスをエネルギー源としたe-メタン製造を目指し、新たな方式の実現に向けた検討を行う。
本事業は、安価で豊富な未利用バイオマスとペトロナスのLNG基地が存在するマレーシアにおいて、未利用森林資源や農業残渣等のバイオマスを高温でガス化することで水素、一酸化炭素、CO2を主体とする合成ガスを製造する。さらに、得られた合成ガスを用いてメタネーションを行うことで、再エネ電力の価格に影響されないe-メタンの製造が実現する。
2030年に、製造したe-メタンをペトロナスがマレーシアに保有するLNG基地で液化し、日本などに輸出することを目指す。
また、本方式では、副産物として得られるバイオマス由来のCO2を地中に貯留(CCS)する場合、ネガティブエミッションも可能となるため、今後その可能性についても検討する。
詳しくは、→https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2023/1720951_54087.html