研究情報
三重大、三重県水産研究所、KDDI等6者、ブルーカーボン自動計測システム構築の取組み開始(2023.4)
独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校 (三重県鳥羽市)、国立大学法人三重大学 大学院生物資源学研究科(三重県津市)、三重県 水産研究所(三重県志摩市)、鳥羽市、KDDI㈱(東京都千代田区)、㈱KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)は、水産業におけるカーボンニュートラルの実現と収益モデルの構築を目的に、機械学習を活用したブルーカーボン自動計測システム構築に向けた取り組みを開始した。本取り組みは、2022年11月30日から最長2025年3月末まで実施し、期間中にブルーカーボン自動計測システムの運用開始を目指す。また、2023年2月から3月にかけて、本取り組みの一環として水中カメラセンサーデバイスの試作機を使った藻場の水中画像の取得に成功した。
ブルーカーボンの定量的な測定には、藻場の種類や分布面積の把握のための調査が不可欠なものの、進んでいないのが現状。クレジット認証を得るには、人手を介して海草や海藻などをどれほど増やしたかの実績報告が必要となる。本取り組みは、2022年10月12日、国立研究開発法人情報通信研究機構が実施する「データ利活用等のデジタル化の推進による社会課題・地域課題解決のための実証型研究開発」において、6者で取り組む「ブルーカーボン貯留量の自動計測システムの開発による漁村の脱炭素・収益向上に向けた取り組み」が採択されたことにより実施している。
本取り組みでは、漁船に取り付けた水中カメラセンサーデバイスで撮影した画像や位置情報などをブルーカーボン自動計測システムへ集約する。機械学習を用いて藻の種類を識別、繁茂位置と体積を算出することで地域のブルーカーボンの貯留量を自動計測する。ブルーカーボンを定量化して取引可能な形態にした「Jブルークレジット」などを藻場保全活動の活性化・持続性の確保に活用し、都市部の企業との連携を生み出し、漁村の創生につなげていく。
6者は、三重県内の5GやIoTなどを活用した水産業のデジタルトランスフォーメーション「海洋DX」の積極的な展開を目指し、2021年3月に連携協定を締結した。今後も、産学官の連携による最新技術の情報共有や共同研究、フィールド試験などを通じて海洋DXを推進し、安定した漁獲や生産に向けた仕組みの構築を進めていく考えだ。
詳しくは、→https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2023/03/31/6647.html