研究情報

信州大研究G、超音波によるマイクロプラスチックの100倍濃縮回収技術開発(2023.4)

 信州大学学術研究院繊維学系の研究グループでは、近年環境問題として注目されているマイクロプラスチックの濃縮回収法として、超音波による音響収束を用いることを提案し研究を進めている。今回、この音響収束による分離機構を四連続で設けることで、様々なサイズのプラスチック粒子を100倍濃縮可能な装置の開発に成功した。
 現在、マイクロプラスチックの回収は、一般にメッシュによる濾過により行われているが、メッシュサイズより小さいマイクロプラスチックは回収できていなかった。そこで、流路中で適切な周波数の超音波を照射すると、プラスチック粒子が流路中央に集まる音響収束という現象を利用し、マイクロプラスチックを濃縮回収する技術開発を進めている。従来は、濃縮率は3倍程度と低いことが問題だったが、今回、この分離機構を四連続で設けたガラス製流体デバイスを開発した。このデバイスを用いて、10μm~200μmのプラスチック粒子懸濁液を毎分 1mLで処理し、その90%以上を回収することに成功した。
 今後は、流路を並列化し、処理流量をアップすることで実用化を目指す。特に、国内唯一の繊維学部に所属する研究グループとして、洗濯排水に含まれる繊維由来のマイクロプラスチックの回収デバイス開発に取り組んで行く考えだ。

詳しくは、→https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles//news/2023/03/173628.html

2023-04-04 | Posted in 研究情報 |