研究情報

国立環境研究所、東工大等の研究G、泥炭湿地上オイルパームプランテーション排水路の温室効果ガスN2O生成・除去機構解明(2023.3)

 国立環境研究所、東工大、兵庫県立大、サラワク州立熱帯泥炭研究所の研究グループは、これまで着目されていなかった温室効果ガスN2O発生源である泥炭湿地を開拓したオイルパームプランテーションの排水路の溶存N2Oの観測を行い、その結果、排水路水中の溶存N2O濃度は雨季と乾季で大きく分布が異なることが明らかになった。具体的には、雨季では、温室効果ガスの強い発生源となっている地点が多い一方で、強い吸収源となる地点も多いことが明らかになった。溶存N2Oの分子内同位体比を調査すると生成されたN2OのほとんどはN2まで還元されており、かなりの部分が河川に至るまでに除去されていることが明らかになった。これは泥炭土壌から供給される有機物が多いために起こるものと考えられる。

 世界的な需要の高まりを受けオイルパームプランテーションは年々拡大を続けており、近年では泥炭湿地林を変換してプランテーションが拡がり続けている。泥炭湿地上に成立したオイルパームプランテーションの温室効果ガス収支把握の高精度化によって、温室効果ガス発生抑制に向けたN2O生成メカニズム解明につながる知見を得た。

詳しくは、→https://www.nies.go.jp/whatsnew/2023/20230302/20230302.html

 

2023-03-09 | Posted in 研究情報 |