研究情報
静大、帝人フロンティア等3者、茶葉未利用成分の抽出・分離濃縮技術で、ゼロエミッションモデル構築へ(2023.3)
国立大学法人静岡大学と静岡大学発のベンチャー企業であるS-Bridges(エス ブリッジズ)㈱(静岡県浜松市)および、帝人フロンティア㈱は共同で、これまで利用できなかった茶葉の繊維やたんぱく質、カテキンなどの有用成分を、ほぼ全量、抽出・分離濃縮することが可能となる技術を開発した。3者はこの技術を活用して茶葉をはじめ、茶殻や他の農産物にも応用し、未利用であった有用成分を様々な用途へ展開する「ゼロエミッション(廃棄物排出ゼロ)」モデル構築の取組みを開始する。
今般開発した技術は、従来の方法では抽出できていなかった茶葉に含まれる成分を、静岡大学とS-Bridges社が有する茶葉の細胞壁を破壊し内部の有用成分を抽出する独自技術と、帝人フロンティアが有する成分の分離濃縮技術を融合することで、ほぼ全量、抽出・分離濃縮する新たな技術となり、葉全体を活用可能とするもの。また、この技術は一般的な植物の葉や果実にも応用が可能だ。茶葉や茶殻から抽出・分離濃縮した有用成分は、工業製品や食料品の原料および、飼料や肥料へ組み入れるなど、様々な用途に展開を目指す。
S-Bridges㈱は、2022年2月に設立された、茶葉・茶殻を含む食品からタンパク質を抽出する技術とその製造工程を研究開発する静岡大学発のベンチャー企業。→https://www.s-bridges.jp/
今般開発した技術を用いて茶葉から抽出・分離濃縮した茶葉繊維(左)と高タンパクく質溶液(右)
詳しくは、→https://www2.teijin-frontier.com/news/post/137/
2023-03-14 | Posted in 研究情報 |