研究情報
出光G、デジタルMRVを活用しCO2除去(CDR)市場支援する独・Carbonfuture社へ出資。(2025.12)
出光興産㈱は、100%子会社である出光アメリカズホールディングス(本社:米国、IAH)を通じ、CO2除去(Carbon Dioxide Removal、CDR)分野において、デジタルMRVプラットフォームを提供する ドイツのスタートアップ企業のCarbonfuture GmbH(本社:フライブルク、Carbonfuture 社)に出資した。本出資は、同じくIAHを通じて当社が出資している海外ファンドであるCarbon Removal Partners – Systemic Ventures I SCSp と共同で実施した。今後はCarbonfuture社との事業連携の可能性について協議を進めていく予定。 MRVとは、Measurement, Reporting and Verification(測定・報告・検証)。CDR のクレジット発行に必要な「除去量の測定方法」、「報告の仕組み」、「第三者による検証プロセス」を定める枠組み。
2050 年のカーボンニュートラル達成に向けては、CO2排出量そのものの削減に加えて、大気中に存在するCO2を確実に除去するCDRの社会実装が不可欠である。特に、耐久性の高いCDRの社会実装においては、CO2の除去量が正確に測定され、データの透明性が確保されることが重要であり、この土台となるMRVの高度化が求められている。
Carbonfuture 社のデジタル MRVプラットフォームは、同社が提供するサービスの中核を成しており、CO2除去量の測定からデータ管理、検証プロセスまでを一元管理し、信頼性の高いCDRクレジットの取り引きを支える仕組みとして、欧州・北米の市場で採用されている。また、耐久性の高いCDRの分野において豊富なクレジット取引実績を有し、複数の企業や機関との長期的な契約に基づき事業を拡大している。
CDR 市場の拡大に向けては、国内外の多様なパートナーとの協働による取り組みの戦略的推進が不可欠である。今回の出資を通じて、当社は Carbonfuture 社が保有するデジタル MRV プラットフォームを活用し、北米・日本・アジアでの CDR 市場開拓、共同プロジェクトの検討、政策面での連携など、幅広い協業機会の創出を目指す。今後は両社で定期的に戦略的な対話を行い、デジタルMRVプラットフォームを活用した事業モデルの検討や実証活動について協議を進めていく考えだ。
詳しくは、→https://www.idemitsu.com/jp/news/2025/251219_3.pdf
→https://www.carbonfuture.earth/
