トピックス,エネルギー編

王子HD、ブラジルの高密度バイオカーボン製造販売会社・Bionow S.A.に出資。鉄鋼関連業の脱炭素後押しへ(2025.11)

 王子ホールディングス㈱は、11月13日、グループ会社のCelulose Nipo-Brasileira S. A.(本社:ブラジル/ミナス・ジェライス州、セニブラ社)を通じて、Vale S.A.(Vale社) の100%子会社でバイオカーボン事業会社であるBionow S.A.(Bionow社)の第三者割当増資を引き受ける出資契約を締結したと発表した。

 当社グループは、長期ビジョンにおいて、木質バイオマスビジネスを将来の中核事業として位置づけ、事業ポートフォリオの転換と持続可能な未来への貢献を掲げている。本件は、環境負荷の低減効果と市場拡大が見込まれるバイオカーボン事業への参入を通じて、ネイチャーポジティブな未来の実現に向けて取り組む施策の一環である。

 Bionow社では石炭などの化石資源の代替素材として、ユーカリを主原料とした高密度バイオカーボンを脱炭素化のソリューションとして開発した。高密度バイオカーボンとは、木質資源を原料として、熱分解(炭化)と高圧加工によって 製造された固形の還元剤・燃料であり、脱炭素化に積極的に取り組む鉄鋼関連業の製造プロセスにおいて、安定した熱源及び還元剤として機能し、産業界のエネルギー転換とGHG(温室効果ガス)の排出削減を後押しする。2027年末稼働を目標に最初の工場をブラジルに建設し、その後は、拡大する市場ニーズに応じて、事業のさらなる拡大を目指す。なお、同工場では、セニブラ社のFSC®認証林由来のユーカリ原木を使用する予定。

 合弁パートナーであるVale社は、ブラジルに本社を置き、鉄鉱石及びニッケルの世界最大級の生産企業であるとともに、銅の主要生産企業としてグローバルに事業を展開している。事業には、約2,000kmに及ぶ鉄道網、海上ターミナル、そして世界各地に20の港を含む統合型物流システムが含まれている。同社は、2050年までにネット・ゼロ・カーボンを達成することを目標に掲げ、事業活動における化石燃料の代替や再生可能エネルギーの導入などの取り組みを進めている。また、Scope 3排出量については、顧客および戦略的サプライヤーとの連携を通じて、2035年までに15%の削減を目標に掲げている。

詳しくは、→https://www.ojiholdings.co.jp/news/detail_002406.html

 

2025-11-15 | Posted in エネルギー編, トピックス |