トピックス,マテリアル他編
積水化成品工業 、海洋生分解性ビーズ発泡体開発。酢酸セルロースを主原料に(2025.11)
近年、海洋プラスチックごみ問題は、長期間にわたりマイクロプラスチックとして残留することで生態系や漁業などに影響を及ぼし、深刻な環境課題となっている。こうした課題に対し、積水化成品工業㈱では従来取り組んできたマ テ リアルリサイクル を 強 化 する 一方、バイオ マ ス 原 料 を 配 合した 生 分 解 性 発 泡 体「RETONA FOAM BIO」を展開し、製品の回収・再資源化を含めた資源循環スキームの取り組みを進めている。この度、これらの取り組みをさらに補完するため、「RETONA FOAM BIO」の 新 グ レ ードとして 、海 洋 生 分 解 性を備えたビーズ発泡体を開発した。
製品は、同社が長年培ってきたビーズ発泡技術と主原料である酢酸セルロース樹脂の優れた素材特性を融合させた、新たなビーズ発泡体。意図せず海洋中に流出した場合でも、海中で分解されるため、マイクロプラスチックとして長期間残留しにくく、海洋環境への負荷低減が期待される。
<主な特長>
●海洋生分解性:海洋を含む微生物が存在する環境下で生分解される。 ●軽量かつ高い緩衝性能:非発泡樹脂と比べて軽量であり、優れた緩衝性を実現する。 ●高い成形自由度と生産性:金型設計に応じて多様な形状に成形可能で、切削加工が不要で大量生産に適する。 ●抗菌性・耐油性に優れる:酢酸の効果により高い抗菌性を持ち、ポリスチレンに比べて優れた耐油性を有する。 ●バイオマス由来で持続可能:木材など非可食植物由来の原料を使用しており、持続可能な資源循環に貢献する。
