トピックス,エネルギー編

三菱重工と米・ICM社、バイオエタノール膜分離脱水効率向上に向け戦略的提携(2025.11)

 三菱重工業㈱は、米国のバイオエタノール製造向けプロセス技術のリーディングカンパニーであるICM, Inc.(米国カンザス州、ICM社)と、バイオエタノールの脱水技術革新を加速させる戦略的提携にこのほど合意した。

 本提携は、三菱重工の膜分離脱水システム(MMDS:Mitsubishi Membrane Dehydration System)とICM社のバイオエタノール製造プロセスの統合に主眼を置いている。両社は協力して、エネルギー消費の削減、製造プロセスの安定性向上などに取り組み、バイオエタノールの脱水効率を高めることを目指している。

 三菱重工は、長崎地区の総合研究所内にある「長崎カーボンニュートラルパーク」内に設置したパイロットプラントにおいて、MMDSを使い、国内燃料規格でもある99.5vol%以上のエタノール純度を達成した。

 水分を取り除く脱水工程は、バイオエタノール製造において、多くのエネルギーを消費する工程の一つであり、MMDSは、従来の「PSA方式」に代わり、「分子ふるい膜分離方式」を採用することで、エタノール製造の高効率化を目指している。また、MMDSは液相での分離を可能とするため、装置のコンパクト化と設置の簡素化にも寄与する。

 ICM社の技術事業化部長であるShaun Hubler氏は「三菱重工との協業により、エタノール脱水への新たなアプローチを模索し、製造効率と信頼性のさらなる向上を目指している。長崎でのパイロットプラントの結果は非常に有望であり、これを基に、商業展開に向けて取り組みを進めていく」と述べている。

詳しくは、→https://www.mhi.com/jp/news/25110501.html

2025-11-06 | Posted in エネルギー編, トピックス |