トピックス,エネルギー編

マツダ、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料と独自CO2回収技術で大気中CO2削減へ。ジャパンモビリティショー2025で世界初公開(2025.11)

 マツダ㈱は、「ジャパンモビリティショー2025」のプレスカンファレンスにて、展示テーマである2035年「走る歓びは、地球を笑顔にする」を具現化する2台のビジョンモデル「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」と「MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)」を世界初公開した。

 「MAZDA VISION X-COUPE」は、「魂動(こどう)」デザインをさらに進化させたクロスオーバークーペで、2ローター・ロータリーターボエンジンとモーター、バッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載している。510馬力の最高出力を持ち、モーターのみで160km、エンジン併用で800kmの航続距離を実現する。さらに、

 「MAZDA VISION X-COMPACT」は、人の感覚をデジタル化した「人体・感性モデル」と共感型AIの融合で、人とクルマの絆がさらに深まることを目指したモデル。クルマと気取らない会話ができ、行き先を提案してくれる、親友のような存在として、自分の世界を広げてくれる。まるで心が通った人とクルマの関係を実現する、マツダが目指すスマートモビリティの未来像だ。

 また、今回のショーでは、一般向けには世界初公開となる新型「MAZDA CX-5」(欧州仕様)も展示する。広々とした室内空間と、魂動デザインや人馬一体の走りをさらに磨きあげたこのモデルは、100以上の国と地域で累計450万台以上を販売してきたベストセラーの進化形。新たに電子プラットフォーム「MAZDA E/E ARCHITECTURE+(マツダ イーイー アーキテクチャー プラス)」を搭載し、進化した運転体験をお届けすることを目指した。

 マツダの代表取締役社長兼CEOの毛籠 勝弘(もろ・まさひろ)は、次のように述べている。「『走る歓びは、地球を笑顔にする』という言葉はマツダの原点であり、今後の挑戦のコアでもある。カーボンニュートラルという人類共通の使命のもと、『走る歓び』が、社会と地球の未来をよくする力になると信じ、『クルマが好き』『いつまでも運転をしていたい』という想いを叶え続ける」

<プレスカンファレンス 毛籠社長スピーチから>

 私たちが目指すのは、「走るほどにCO2を減らす」未来です。マツダが着目したのは、クルマを走らせる燃料と、排出されるCO2です。微細藻類から精製されるカーボンニュートラル燃料で走行し、排出されるCO₂を回収できれば、走れば走るほど大気中のCO2を減らすことができる。そんなモビリティの未来が実現できると考えています。

 その1つ目の鍵は、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料です。微細藻類は、CO2を吸収して成長する過程で細胞内に油脂成分を蓄積します。それを精製することでカーボンニュートラル燃料となります。私たちはこの研究で1,000Lの培養槽から約2週間で1L以上の燃料を精製する理論目標に到達しています。さらに、燃料成分を抽出した後の微細藻類には、たんぱく質など多くの栄養素が含まれており、健康食品や有機肥料として活用することができます。

 2つ目の鍵は、CO2回収技術です。 エンジンから排気されるCO2濃度は大気中よりも非常に高いものです。私たちが開発したCO2回収装置「Mazda Mobile Carbon Capture」(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)は、その排気からCO₂を直接集めることで効率的に回収することができます。そして回収した後のCO2は、農作物の成長促進や高性能カーボン素材などに再利用が可能です。私たちは来月、この技術を搭載したマツダ55号車でスーパー耐久レースに参戦し、実証実験を開始します。こうしたアプローチによって、「走ること」が単なる移動を超えて、モビリティが「循環型社会」に貢献する未来を実現し、私たちはいつまでも「走る歓び」をお届けしていきます。

詳しくは、→https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2025/202510/251029b.html          →https://newsroom.mazda.com/ja/about/speech/11098/index.html

 

2025-10-30 | Posted in エネルギー編, トピックス |