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米・CF Industries・新加坡・Trafigura社・独・Envalior社、認証低炭素アンモニアの欧州出荷を発表(2025.10)

 世界最大のアンモニア生産者である米国のCF Industries Holdings, Inc(CF Industries)は、10月2日、ルイジアナ州ドナルドソンビルの工場から認証済み低炭素アンモニアを出荷したと発表した。世界のコモディティ業界のマーケットリーダーでシンガポールに本部を置くTrafigura社が、エンジニアリングプラスチックの世界的リーダーであるドイツのEnvalior社向けにこのアンモニアを購入した。Envalior社は、この低炭素アンモニアを低炭素カプロラクタムの製造に使用する予定。

 9月25日、Trafigura社は、ベルギーのアントワープ行きの低炭素アンモニア23,500トンを積み込んだ。この低炭素アンモニアは、従来の天然ガスを原料とするアンモニア生産と比較して、坑井から坑口までの炭素フットプリントが大幅に低いことが、検証済みアンモニア炭素強度(VACI)プログラムによって認証されている。

「欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズムの導入に先立ち、低炭素アンモニアサプライチェーンの開発に協力する中で、業界リーダーであるTrafigura社およびEnvalior社と提携できることを誇りに思う」と、CF Industriesの営業・市場開発・サプライチェーン担当執行副社長、Bert Frost氏は述べている。「また、当社初の低炭素プレミアム製品を欧州に提供することで、CF Industriesにとって重要な節目を迎えられたことを嬉しく思う」

 CF Industriesは、ドナルドソンビル・コンプレックスにおいて、アンモニア製造プロセスで発生する年間最大200万トンのCO2を隔離する能力を持つCO2回収・貯留プロジェクトを2025年7月に開始した。これにより同コンプレックスでの低炭素アンモニアの生産が可能になった。CF Industriesは、VACI認証の低炭素アンモニアを年間約190万トン生産する見込みで、これは低炭素窒素肥料製品へのアップグレードも可能である。

 VACIは、米国肥料協会(Fertilizer Institute)が開発した自主的なプログラムで、天然ガス井から生産ゲートまでの特定の施設におけるアンモニア生産に伴う温室効果ガス排出量を認証する。このプログラムは、業界の専門家が開発した公開された手法を用いて、施設のアンモニア生産における炭素強度を計算する。データ収集と計算は、第三者検証機関による監査を受けている。

詳しくは、→https://www.cfindustries.com/newsroom/2025/low-carbon-ammonia-shipment

関連情報→https://greenproduction.co.jp/archives/29347

2025-10-09 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |