トピックス,エネルギー編
グリーン水素鋼材開発のスウェーデン・Stegra、米・Microsoftとの契約発表。排出ガスゼロに近い鋼材需要を促進へ(2025.9)
グリーン水素鋼材開発のパイオニアであるスウェーデンのStegra(旧社名:H2 Green Steel)は米国のMicrosoftと2つの新たな契約を締結したと発表した。
1つは、Microsoftのデータセンターで使用される、排出ガスがほぼゼロの鋼材の供給に関するものである。また、両社は、物理的なグリーン鋼材の供給契約に加え、スウェーデンのボーデンにあるStegraの製造施設での生産に付随する環境特性証明書の購入についても契約を締結した。この契約は、鉄鋼業界では初となるもので、グリーン鋼材の世界的な需要を促進することを目的としている。
Microsoftは、2023年に自社のClimate Innovation Fundを通じてStegraに投資した後、現在、ニアゼロエミッション鋼材の供給契約と環境属性証明書(EAC)に関する契約も締結している。これらの契約は、低炭素建設資材の市場構築に注力するMicrosoftの方針と合致しており、2030年までにカーボンネガティブを目指すという同社の目標を支えている。
MicrosoftのCO2排出量の大部分は、スコープ3、つまり間接排出とみなされるものである。スコープ3排出量の増加は、データセンターの建設増加と、それに伴う建築資材やテクノロジーハードウェアに含まれる炭素に一部起因している。Microsoftが直面する課題は、データセンターの設置面積を拡大している大手クラウドサプライヤーとしての立場に特有のものである。しかしそれ以上に、Microsoftは、より環境に優しいコンクリート、鉄鋼、燃料、半導体を開発・利用するために世界が克服しなければならない課題に向き合っている。
この供給契約により、Stegraはボーデンに現在建設中の主力工場から、従来の製鉄法に比べて排出量が最大95%少ない鋼材を供給し、Microsoftのデータセンター機器サプライヤーが使用することになる。
詳しくは、→https://stegra.com/news-and-stories/stegra-announces-agreement-with-microsoft 関連情報→https://stegra.com/news-and-stories/h2-green-steel-is-now-stegra