トピックス,エネルギー編
韓・LGChemと伊・Enilive、韓国初のHVO/SAF工場着工。廃棄・残留物を持続可能な燃料へ(2025.8)
韓国のLG ChemとイタリアのEniliveは、ソウルの南西80キロに位置する忠清南道瑞山にあるLG Chemの大山化学コンプレックス内に、韓国初となる水素化処理植物油(HVO)と持続可能な航空燃料(SAF)の生産工場を着工し、バイオ燃料の成長に向けて大きな一歩を踏み出した。この工場は、LG ChemとEniliveの合弁会社であるLG-Eni BioRefiningによって建設され、2027年の完成が予定されており、年間約40万トンの再生可能なバイオ原料を処理することになる。
再生可能燃料の義務化により需要が急増すると予想されるHVOとSAFは、使用済み食用油(UCO)などのより持続可能な植物油やその他の廃棄物・残留物を、EniがHoneywell UOPと共同開発した技術であるEcofiningを用いて水素化することで製造される。製品バリューチェーン全体を考慮すると、HVOとSAFの温室効果ガス(GHG)排出量は、従来の化石燃料と比較して大幅に削減される。
LG ChemのCEO、Shin Hak-cheol氏は、「LG Chemは、より持続可能な成長と収益性の両方を確保する低炭素基盤を構築するために、ポートフォリオを変革している。再生可能燃料やHVOなどのバイオベースの原料におけるイノベーションを推進することで、世界的な競争力を強化し、顧客の進化するニーズに効率的に対応することを目指している」と述べている。EniliveのCEO、Stefano Ballista氏は、「大山バイオ精製所の起工は、より持続可能な製品を提供するというEniliveの戦略と、バイオ燃料生産のリーダーとしての当社の地位を再確認するものである」と述べている。イタリアとアメリカ合衆国で既に稼働しているプラント、そしてイタリアとマレーシアで建設中の新しいバイオ精製プラントと合わせて、大山に建設予定のバイオ精製プラントは、バイオ精製能力を年間500万トン以上に増強し、年間200万トン以上のSAF生産を可能にするという当社の2030年目標達成に貢献する。
韓国初のHVO/SAF施設の建設により、LG Chemはより持続可能なイノベーションのリーダーとしての役割を強化し、ネットゼロの未来に向けて前進しながら、世界的な再生可能エネルギーへの移行に貢献する。LG Chemは、HVOをサプライチェーンに統合することで、炭素排出量を削減し、ISCC PLUS認証を取得したバイオサーキュラーバランス(BCB)製品のポートフォリオを拡大する予定である。対象用途としては、電子機器や自動車向けのアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スポーツ用品向けのエチレン酢酸ビニル(EVA)、衛生用品向けの超吸収性ポリマー(SAP)などがある。
詳しくは、→https://www.lgchem.com/company/information-center/press-release/news-detail-9641?lang=en_GLOBAL