トピックス,エネルギー編

仏・TotalEnergiesのアントワープ・プラットフォーム、石油化学事業の再編・投資計画発表。競争力強化・エネルギー移行へ(2025.4)

 4月22日、フランスのTotalEnergiesのアントワープ・プラットフォームは、将来に向けた投資の最新情報を提供し、競争力強化のため石油化学事業の再編計画を発表した。75年以上にわたりTotalEnergiesにとって重要な産業拠点となっているアントワープ・プラットフォームは、統合型ビジネスモデルを基盤としており、事業のレジリエンス(回復力)を保証する。

「アントワープ拠点の継続的な適応と投資により、長期的な将来を確保し、この統合精製・石油化学プラットフォームがTotalEnergiesにとって欧州で最も効率的なプラットフォームであり続けることを保証する。市場の課題に対応するためであれ、脱炭素化とエネルギー転換に貢献するためであれ、このプラットフォームは競争力を維持し、将来にわたって雇用を創出し続けるように再構成する」と、TotalEnergiesのアントワープのマネージングディレクター、 Ann Veraverbeke氏は述べている。

 グリーン水素によって、アントワープ・プラットフォームは脱炭素化を加速させている。エア・リキードの200MW電解装置プロジェクトの一環として、TotalEnergiesは、アントワープ・プラットフォーム向けに年間15,000トンのグリーン水素を生産するための130MWのトーリング契約を締結した。電解装置の上流では、TotalEnergiesが運営するOranjeWind洋上風力発電プロジェクトを通じてグリーン電力を供給する。2027年末に予定されているこのプロジェクトは、アントワープ拠点におけるCO2排出量を年間最大15万トン削減し、輸送分野における再生可能エネルギーに関する欧州目標(RED III)の達成に貢献するものである。

 アントワープは、持続可能な航空燃料(SAF)の生産を通じて、航空業界の顧客のエネルギー転換に貢献し、カーボンフットプリント削減という課題への対応を支援する。年間5万トンのSAFをcoprocessing で生産する初期プロジェクトは、2025年にアントワープのプラットフォームで実施される予定である。Coprocessing とは、従来の精製装置で炭化水素とバイオマスを同時に処理できるSAF製造方法である。

 このプラットフォームは、プロセス電化とバッテリーベースのエネルギー貯蔵により、それぞれ産業オペレーションの脱炭素化と、ベルギーおよび欧州の高圧送電網の需給バランス調整へのニーズの高まりに貢献している。定格出力25MW、容量75MWhのアントワープのバッテリー貯蔵システムは、TotalEnergiesの欧州最大規模のシステム。昨年稼働を開始したこのシステムは、再生可能エネルギーの断続性を相殺し、その発展を促進している。

詳しくは、→https://totalenergies.com/news/press-releases/antwerp-platform-adapts-energy-transition-challenges-and-market-trends

2025-04-24 | Posted in エネルギー編, トピックス |