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欧・Project SkyPower、EUでのe-SAFの拡大支援に向け、5つの主要な政策介入を提言(2025.2)
欧州の航空バリューチェーンの70名以上の業界リーダーで結成されたProject SkyPowerは、EUにおけるe-SAFについて下記の政策提言を発表した。
e-SAFは、EUにとってエネルギー回復力を高め、産業を強化し、高価値の雇用を創出し、クリーンテクノロジーの革新をリードするとともに航空業界の気候目標に貢献する戦略的機会を提供するが、その可能性を最大限に引き出すには政策支援が必要である。
e-SAF (クリーンな電力から生産されるSAF)は、ヨーロッパのエネルギー安全保障を強化し、産業基盤を強化し、2050 年までに約 20,000 人の雇用を創出する可能性がある。3,500億ユーロ以上の世界市場を開拓し、世界の航空排出量を年間4億トン削減する可能性を秘めたe-SAF は、EUの気候目標と産業目標の達成に不可欠である。
約30件のプロジェクトが発表されているにもかかわらず、最終投資決定 (FID) に達した施設はなく、生産を拡大し、この初めてのイノベーションにおけるEUのリーダーシップを確保するための緊急の政策措置の必要性が浮き彫りになっている。投資障壁を克服し、進歩を加速するために、業界リーダーは5つの緊急政策介入を提案する。
1) クリーン産業協定および持続可能な輸送投資計画において、e-SAFを戦略的優先事項とする。
2) ETS の収益を再利用して、 生産者に収益の確実性を提供し、オフテイカーの価格リスクを軽減する市場仲介業者に資本を投入する。
3) 市場仲介者が稼働する前に、早期導入者をサポートするための橋渡しメカニズムを 2025年に確立する。
4) 投資のリスクを軽減するために、義務、生産基準、罰則に関する長期的な規制の確実性を提供する。
5) 政府支援のバックストップ メカニズムにより、プロジェクトごとのリスクを軽減する 。これらの対策を実施することで、EU は投資を促進し、e-SAF の生産を拡大し、ReFuelEU Aviation の成功を確実にすることができる。
欧州の e-SAF エコシステムは行動する準備が整っており、今こそこの機会をつかむ時である。