研究情報

北海道幌加内町、エア・ウォーター等5者、そば殻原料のバイオコークス製造技術の実証事業開始。 (2023.11)

 北海道幌加内町、きたそらち農業協同組合、エア・ウォーター㈱、JFE条鋼㈱、㈱巴商会の5者はこのたび、「幌加内町バイオマス有効活用コンソーシアム」を立ち上げ、北海道庁「ゼロカーボン・イノベーション導入支援事業」補助金に「そば殻を原料に用いた低コストバイオコークス製造技術の実証事業」を応募し、11月8日付で採択された。商用化を前提としたバイオコークス実証事業は道内初となる。

 バイオコークスとは、近畿大学の井田民男教授が開発したバイオマス固体燃料。原料としてあらゆるバイオマスを用いることができ、さらに密度や圧縮強度が高いため鉄やスラグも溶融できる温度での燃焼が可能で、石炭コークスにも代替できる。さらに自然発火、風化、吸湿のリスクが非常に低く、レジリエンスを意識した災害用保管燃料にも最適とされる。

 幌加内町は日本最大のそば作付面積・生産量を誇り、全国1等の格付けを受けたそばのうち96.4%が幌加内町で生産されている。年間2,900tを超えるそばが生産され、そばの加工に伴いそば殻やそば残渣(未熟種子、茎等)といったバイオマスが町内で大量に発生していますが、処理・再資源化に対する有効な手段がなく、現在は大部分が農業廃棄物処理または堆肥化処理されている。一方で、そばの殻をむいた「丸抜き」の製品に対するニーズの高まりを受け、今後さらにそば殻の発生量は増大すると見込まれている。

 2021年度には北海道庁の補助金「エネルギー地産地消事業化モデル支援事業(新エネ有効活用モデル)」を受け、「BIC(バイオコークス)燃料への変換によるそば殻・そば残渣の有効活用」のテーマ名にて町内のそば殻及びそば残渣を主体に、生ゴミや下水汚泥も加えたバイオマス原料をバイオコークス化し、町内で消費される化石燃料への代替を検討する調査事業を行った。その結果、そば殻を中心としたバイオコークス化がコスト的に有効であり、エネルギー利用による脱炭素効果が見込めることが分かった。

詳しくは、→https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-20231127621559292357.html

 

 

 

2023-11-30 | Posted in 研究情報 |