研究情報
広栄化学、信州大とイオン液体による再生セルロース繊維の紡糸プロセス確立の共同研究開始(2023.5)
広栄化学㈱は、信州大学繊維学部 後藤康夫教授と同社イオン液体を活用した再生セルロース繊維の紡糸に関する共同研究を開始したと発表した。
バイオマス資源の一つであるセルロースを用いて作られた繊維は、サステナブルな素材として衣類などに展開されており、今後、更なる活用が期待されている。 同社は、2022年5月、室温という温和な条件において20%以上の高濃度でセルロースを溶解できるイオン液体の開発に成功したと公表した。本イオン液体を使用することで、セルロース繊維の紡糸プロセスにおける安全性向上や環境負荷低減を見込んでおり、かつ、従来の再生セルロース繊維と同程度の強度を有していることを確認できた。また、同社は、本イオン液体の量産化プロセスに目途をつけており、顧客へのサンプル提供を開始している。 信州大学では、イオン液体を用いたセルロース繊維の作製(紡糸)および評価を精力的に行っており、本共同研究において、同社が提供するイオン液体を用いて作製したセルロース繊維の物性(強度や伸度)を評価していく。同社イオン液体を利用した紡糸プロセスが確立されることにより、安全性に優れ、環境負荷を低減できるプロセスを提案していく考えだ。
詳しくは、→https://www.koeichem.com/dcms_media/other/20230515release_cellulose_joint_research_with_Shinshu_University.pdf 関連情報→https://www.koeichem.com/dcms_media/other/20220519release_cellulose.pdf