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環境省と経産省、G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合を開催。共同声明採択(2023.4)
2023年4月15日(土)及び16日(日)に、環境省と経済産業省は共催により、「G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合」を北海道札幌市で開催した。会合では、西村明宏環境大臣が西村康稔経済産業大臣とともに共同議長を務め、コミュニケ(共同声明)及びその附属文書を採択した。
G7気候・エネルギー・環境大臣会合は G7サミット(首脳会合)に関連して開催される閣僚会合の一つで、サミットにおける議論の基礎ともなる会合。パリ協定の精神を踏まえ、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、さらに、炭素中立、循環経済、自然再興を統合的に実現するため、経済社会システム全体の変革であるグリーントランスフォーメーション(GX)のグローバルな推進等について議論された。全てのセクター、全てのステークホルダーの具体的なアクションを推進すべく、国・都市・地域・産業・ビジネス・ライフスタイル等の多様な切り口から、また、昨今の国際情勢によるエネルギー価格高騰などの足下のエネルギー危機への対応について議論された。
注目したポイントは次の通り
●気候変動の加速化・激甚化する影響に強い懸念。1.5℃目標達成、気候の影響に対する強靱化のため、G7がリーダーシップを取ることをコミット。すべての部門・主体にこの10年間における経済変革への協働を要請した。2030年43%、2035年60%削減の緊急性を訴え、特に メタン、HFC(フロン)等のCO2以外の気候汚染物質の対策強化が挙げられた。 ●産業の脱炭素化については、ライフサイクルベースで産業の脱炭素化を評価することの重要性を強調。鉄鋼生産及び製品の排出に関する提案された新しい「グローバルデータ収集フレームワーク」の実施に向け、作業を開始することに合意した。中でも、バイオものづくりについては、気候変動等の問題を解決する可能性を持つ技術として、気候エネルギー関連の大臣会合において初めて盛り込まれた。
●輸送関連では、自動車分野は、2030年までの高度に脱炭素化された道路部門へのコミットを再確認し、G7及びG7以外のメンバーが採る多様な道筋を認識。2035年までにG7の保有車両からのCO2排出を少なくとも共同で50%削減(2000年比)する可能性に留意。水素、合成燃料・バイオ燃料等の脱炭素燃料への言及、バッテリーサプライチェーンの追跡性・持続可能性、バッテリーリサイクルなど持続的な脱炭素化に言及した。
国際海運分野は2050年までのGHG排出ゼロを達成するための取組みの強化。 国際航空分野は、長期目標達成に向け、持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進を含む世界的な取り組みを加速することにコミットした。
●全ての部門で生物多様性保全を主流化させるため、 「G7ネイチャーポジティブ経済アライアンス」を設立した。 ●2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心を持って、プラスチック汚染を終わらせることを確約した。
詳しくは、→https://www.env.go.jp/press/press_01474.html