研究情報

サナテックシード、機能性成分GABA高蓄積トマトが、機能性表示食品として消費者庁認可。ゲノム編集技術により(2022.12)

 筑波大学発スターアップのサナテックシード㈱(東京都港区)は、ゲノム編集技術により、機能性関与成分であるGABAを高蓄積させることに成功したトマト「シシリアンルージュハイギャバ」が、11月30日に機能性表示食品として、関連会社のパイオニアエコサイエンス㈱を通じ、消費者庁に受理された。通常の市販のミニトマトの12個分のGABAを含んでおり(同社調査)、血圧高めの方の血圧を下げる、ストレス緩和等の機能がある。少量でGABAの1日の摂取目安量を摂取でき、ゲノム編集トマトの商業化は世界で初めての事例。自社のオンラインショップより、機能性表示食品としての販売を開始する予定だ。

 シシリアンルージュハイギャバは、ゲノム編集技術によってGABAの合成酵素遺伝子の一部を改変し、GABAの合成活性を高めることでGABAを高蓄積させている。現在他のGABAが多く含まれるトマトとして販売されているものは、水分ストレス栽培等の栽培方法の工夫を通じてGABAを高めており、収量が減少するのが課題だったが、シシリアンルージュハイギャバは品種としてGABAが多く含まれており、安定して多く収穫することができる。

 ゲノム編集とは、ハサミ遺伝子などを用いて、植物自身が持っている遺伝子配列を目的に合わせて確実に「変更」することで、植物が本来持っていた遺伝子の働きを「強化」したり、「停止」させたりできる品種改良技術の一つ。サナテックシード社は、1年を超える事前相談の上、2020年12月11日に食品としての届出を厚生労働省へ提出し、この事前相談では、すべて専門家による検討の結果、食品安全性ついて科学的に適切な方法で調査した情報を提供し、また科学的に従来の品種改良で開発されたものと同等の安全性が担保されていると判断された。

詳しくは、→https://sanatech-seed.com/ja/221202/

 

2022-12-11 | Posted in 研究情報 |