研究情報
日本ハム、培養肉の培養液主成分の動物血清を特定食品での代替に成功。(2022.10)
日本ハム㈱(大阪市北区)は、培養肉の細胞を培養する際に必要となる「培養液」の主成分を、これまで用いられてきた動物由来のもの(血清)から一般的に流通する食品由来のものに置き換えて、ウシやニワトリの細胞を培養することに成功したと発表した。
ウシ及びニワトリから採取した筋肉の細胞に、ある特定の食品(特許出願中)を添加した群において、血清添加群とほぼ同等に細胞が増殖することを確認した。また、ウシとニワトリで異なる結果が得られたことから、異なる畜種においては、増殖促進に適する食品成分が異なることも確認した。今回の成功により、培養液のコストで大きな割合を占める動物血清を、安価かつ安定的に調達可能な食品に代替できることになり、将来的な培養肉の社会実装に向けて前進した。(下図参照)
動物の細胞を培養して作る培養肉は、従来の畜産が抱える環境負荷などの課題を解決しながら動物性たんぱく質を供給できる手法として期待されており、同社は2019年より培養肉の研究開発を進めてきている。動物細胞の培養には、細胞の増殖をサポートする多くの成分を必要とするため、ウシなどの動物由来の血液成分(血清)が使用されている。しかしながら、こうした動物由来の血清は動物の体から採取するため、高価であるばかりでなく、安定調達が困難であることから、培養肉の商用化を目指す上で動物由来の血清を添加しない培養液の開発が求められていた。
詳しくは、→https://www.nipponham.co.jp/news/2022/20221004/
2022-10-13 | Posted in 研究情報 |