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日本製紙 CO2吸収能力が高く、成長に優れるスギ、ヒノキのエリートツリー 苗生産事業拡大、社有林転換へ (2022.2)
日本製紙(株)は、CO2吸収能力が高く成長に優れ、花粉量が少ない等の特徴を持つエリートツリー等の苗生産事業を全国に拡大していくと発表した。
エリートツリーとは、特定母樹由来の苗木(特定苗木)のこと。特定母樹とは間伐等特措法において、森林のCO2吸収固定能力の向上のため、成長に係る特性の特に優れたものとして農林水産大臣により指定されたもの。指定基準は、成長性が在来系統と比較して1.5倍以上、花粉量が一般的なスギ・ヒノキの半分以下、幹の通直性の曲がりがないものなどである。
既に熊本県、北海道でエリートツリー等の苗生産を開始しているが、林業種苗法に基づくスギ種苗配布区域(国内7区域)のうち、三区(静岡県)、四区(鳥取県、広島県北部)、五区(広島県南部)、六区(大分県)の4県において、間伐等特措法に基づくスギ・ヒノキのエリートツリー等の増殖に係る「特定増殖事業計画」を申請し、各県で「特定増殖事業者」としての認定を受けた。
今後、エリートツリー等の苗生産に必要な種子や穂木を生産するため、当該各地に採種園・採穂園を造成するとともに、地元の山林種苗協同組合員や新規生産者と協業体制を構築して、2024年より本州でもエリートツリー等のコンテナ苗生産を行っていく。採種園については、ビニールハウス内で人工交配を行う。
また、同社は社有林の再造林地に、自社で生産したエリートツリー等の苗を順次植林していく。国内に約400カ所、総面積約9万ヘクタールの大規模社有林を保有するが、林野庁が掲げる林業用苗に占めるエリートツリー等の割合を2030年までに3割、2050年までに9割以上を目指す方向性に沿い、「社有林のエリートツリー化」を推進する。
詳しくは、→https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2022/news220118005119.html