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日立、東京都の公募事業「地産地消型水素ステーション導入促進に向けた共同検討事業」に採択(2026.4)
㈱日立製作所(日立)は、4月8日、東京都 産業労働局が公募した「地産地消型水素ステーション導入促進に向けた共同検討事業」において、オンサイト型水素ステーションを対象に、統合エネルギーマネジメント(EMS: Energy Management System)の構築および最適化に関する検討を行う事業が採択されたと発表した。
本事業では、都市部における水素ステーションの社会実装を本格化させるため、実現可能性を調査・分析するフィージビリティースタディーを通じて、水素製造コストの低減と事業性向上を検証し、汎用的なビジネスモデルの構築を支援する。
日立は、エネルギー分野を中心に日立グループ横断の知見を活用し、本事業で確立をめざす新たなビジネスモデルを足掛かりに、エネルギー課題解決で期待される水素活用を加速させ、脱炭素社会の実現に貢献していく。
<背景>
水素は脱炭素社会の実現に向けた重要なエネルギーとして期待されており、東京都においてもTOKYO H2プロジェクトを始めさまざまな施策が進められている。水素活用が先行することを期待されているモビリティ分野においては、特に燃料電池車(FCV)向けインフラである水素ステーションの整備が進められている。しかし、特に都市部では供給不足気味で、全国でも約150カ所とまだまだ足りておらず、政府は2030年に1000基を目標に増設を進めている。そんな中、従来の水素ステーションは、遠隔地で製造した水素をステーションまで輸送する方式が主流であり、輸送に伴うCO2排出やコストの増大、さらには事業の自立化・商用化が課題となっている。また、都市部では再生可能エネルギー設備の設置制約が大きく、安定的かつ経済的にグリーン水素を製造・供給する仕組みの構築が求められている。
日立は、エネルギー分野で培った制御技術を生かして大みか事業所において太陽光発電によるグリーン電力を使用し水素を製造する実証に加え、水素製造における電力経済性(水素需要に合わせ、どのリソースからの電力をどれだけ使いいつどれくらいの水素を製造するか)を算出し日々の運用計画を立案する計画機能、計画通りに機器制御を実行するために必要な情報のセンシングなどの機能も備えたEMSの開発を行ってきた。このように経済性を考慮しつつ環境負荷を低減しながら安定的に水素製造を実現するためのさまざまな取り組みを実現することをめざしている。
<課題に対する取り組み>
本事業において日立は、水素ステーション敷地内で水素を製造するオンサイト型水素ステーションモデルに着目し、以下の取り組みを行う。
●エネルギーマネジメント(EMS)の活用:系統電力に加え、太陽光発電(PV)、燃料電池、蓄電池といった複数の電源を統合的に制御
●水素製造コストの最適化:水素ステーションの運用実態に合わせた需要と電力価格や電源構成を考慮し、複数パターンのシナリオを設定しシミュレーション
●実現可能なビジネスモデルの策定:CAPEX・OPEX・各種制度、規制、補助金等を考慮した事業性評価およびビジネスモデルの検討・提示
●「グリーン度」の定量評価と向上:水素製造時の炭素強度(どの程度グリーンか)の定量評価と低減策の検討
これらを通じ、用地確保や保安距離の確保といった都市部特有の制約条件を踏まえた、実現性の高い水素ステーションモデルの検討を進める。
本事業により、水素製造コスト低減に向けた定量的な検討結果を提示し、都市部における導入可能な地産地消型水素ステーションモデルの確立を支援する。また、水素輸送に伴うCO2排出削減へ貢献し、将来の実証・社会実装を見据えた商用化への道筋の明確化を実現する。
詳しくは、→https://www.hitachi.com/ja-jp/press/articles/2026/04/0408/
