トピックス,マテリアル他編
製品評価技術基盤機構(NITE)、海洋生分解性プラの微生物分解を評価、解析の分析法開発(2025.12)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、海洋生分解性プラスチックが微生物によりどのように分解されるかを、効率的に評価・解析できる分析法を開発したと発表した。
近年、海洋のプラスチックごみによる生態系への様々な影響が懸念される中、自然界の微生物の作用により炭素循環に組み込まれる「海洋生分解性プラスチック」が注目されている。
海洋生分解性プラスチックは微生物の作用によって最終的に水や二酸化炭素などの無機物に分解される必要がある。しかし、従来の分析法ではその分解の測定に掛かる期間が長く、多くの試料を効率よく分析することが困難だった。新素材や製品の開発には、迅速、簡便、そして大規模に試料を評価、解析できる手法が求められる。
NITEが開発した新たな手法では、微生物によるプラスチックの分解に伴い発生する、気相中のCO2をガスクロマトグラフィ-で測定し、さらに液相に残存する分解生成物を液体クロマトグラフィー質量分析法で解析する。この方法により多検体の生分解性を効率的に評価できるだけでなく、生分解様式の詳細な解析も可能となった。
実際に本方法を用いた実験では、同一の微生物種であっても分解様式や細胞への取り込み等の代謝には多様性があることが示された。これらのことから、海水中のプラスチック表面に形成される微生物の生態系(プラスティスフィア)では、代謝する物質が異なる種の微生物が協働して生分解性プラスチックの分解を進めていることが示唆された。
この分析法の活用により、海洋生分解性素材やその製品の開発を加速することができるだけでなく、プラスチック表面の生態系(プラスティスフィア)における微生物間の関係についての理解が進み、海洋での生分解メカニズムに関する知見の蓄積が見込まれる。これにより新たな海洋生分解性プラスチックの開発に道が開かれることが期待される。
NITEは、海洋生分解性プラスチックの普及へ向けた取り組みに関連して、国内4海域で大規模な微生物叢データと微生物株の取得を行ってきた。昨年3月から、本技術を用いた解析データが付与された微生物株の分譲を順次開始している。これによりユーザーの方には分解特性を踏まえた微生物株を選定することができる。

解析法イメージ図
詳しくは、→https://www.nite.go.jp/nbrc/information/release/20251211.html
