研究情報

出光興産、海洋紅色光合成細菌の大量培養技術確立へベンチプラントを西部石油敷地内新設。来年2月に実証運転開始予定(2025.12)

 出光興産㈱は、100%子会社の西部石油㈱(山口県山陽小野田市)の敷地内に、海洋性紅色光合成細菌(→光合成を行うことで海中の二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)を取り込み体内に固定し、有機化合物などの有用物質を貯留することができる微生物)の大量培養技術の確立に向けたベンチプラントを新設したと発表した。

 同社は、微生物開発に豊富な知見を持つ京都大学発のスタートアップ Symbiobe(シンビオーブ)㈱(2024年9月に出光興産出資、本社:京都市西京区:Symbiobe社」)と、本ベンチプラントにて海洋性紅色光合成細菌の大量培養および、海洋性紅色光合成細菌が貯留する有用物質を用いたグリーンバイオ資材の製造効率化に関する実証を行う。ベンチプラントにおけるグリーンバイオ資材の製造規模は年間1トンで、実証運転は2026年2月に開始する予定。

 本実証においては、ベンチプラントの運転に必要となる電力のコスト抑制とグリーン化(CO2を排出しない電力の活用)についての検証も併せて行う。 今後は本実証での成果を踏まえ、段階的なスケールアップを行い、2030年までの商業プラント運転開始および事業化を目指す。本実証およびその先のスケールアップに向けては、Symbiobe 社の強みである微生物開発の知見と、同社の強みであるプロセス技術およびスケールアップノウハウを活かす考えだ。

詳しくは、→https://www.idemitsu.com/jp/news/2025/251209_1.pdf

2025-12-10 | Posted in 研究情報 |