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スイス・ABBと米・Citroniq社、世界初の100%バイオベースのポリプロピレン工場を目指す(2025.8)

 2025年8月26日、電化・自動化分野のテクノロジーに注力、スイスに本部を置くABBは、米国ネブラスカ州にある100%バイオジェニックポリプロピレン工場向けに、高度な自動化、電動化、デジタル化ソリューションを提供するため、Citroniq社と供給契約を締結したと発表した。この工場は、この種の完全な商業規模の施設としては世界初となることを目指している。ポリプロピレンは、食品・飲料の包装、自動車部品、消費財、医療機器など、社会が日常的に必要とする多くの製品に使用されている。

 この施設は2029年に稼働開始予定で、米国で確立されたトウモロコシ由来のエタノール産業から、完全に認証されたバイオジェニックポリプロピレンを生産する。Citroniq社の戦略は、米国でより持続可能なプラスチック製造プラットフォームを構築し、排出削減が困難なプラスチックセクターにおける排出量を削減することである。

 Citroniq社によると、3つのプラントからなるこのプラットフォームは、フル稼働時には米国国内のポリプロピレン生産量を20%脱炭素化する可能性があると予想されている。最初の施設では、トウモロコシ由来のエタノールをポリプロピレンに変換し、年間300万トンのCO2を回収し、固形ペレットとして永久貯蔵する。

「ABBとの協業は、プラスチック業界を変革する先進的な世界クラスの製造施設を構築するための重要なステップです」と、Citroniqの社長兼共同創設者であるMel Badheka氏は述べている。「ABBは自動化におけるリーダーシップと、このようなプロジェクトに不可欠な専門知識を有しており、私たちはプロセスの早い段階からABBと協力した」

 最終投資決定後、ABB は ABB Ability System 800xA 分散制御システム、高度なプロセス制御、デジタルシミュレーション、電気機器、計装およびエンジニアリングサービスを提供し、工場の設計、納入および運用を最適化する。

詳しくは、→https://citroniq.com/abb-and-citroniq-target-a-world-first-with-100-bio-based-polypropylene-facility/

2025-08-29 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |