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ベルギー・Vioneo社、世界初のグリーンメタノール使った工業規模の化石燃料フリープラ製造プラントのポリプロピレンパートナーに米・Lummusを選定(2025.8)
2025年8月19日、 プロセス技術と価値主導型エネルギーソリューションのグローバルプロバイダーである米国のLummus Technologyは、ベルギーのVioneo社がアントワープに建設する新設プラントに、同社のNovolenポリプロピレン(PP)技術を採用したことを発表した。このプラントはVioneo社の複合施設の一部となり、完成すれば世界初の産業規模の化石燃料フリープラスチック生産複合施設となる。グリーンメタノールを原料とするこの複合施設は、再生可能電力による高度な電化に加え、再生可能水素を主要設備として活用する。
「世界初の化石燃料フリーのポリプロピレンプラスチック製造施設を実現するというVioneo社の目標は、大胆かつ野心的であり、私たちが支援できることを光栄に思う」と、Lummus Technologyの社長兼CEOであるLeon de Bruyn氏は述べている。「当社の実績あるポリプロピレン重合技術により、Vioneo社は品質や柔軟性を損なうことなく、低排出プロセスを通じて高性能なドロップインポリプロピレングレードを生産できるようになる」
この初のプラントは年間20万トンの生産能力を誇り、100%分離されたグリーンプロピレンとエチレンを原料として、幅広いグレードのポリプロピレンを生産する。高純度の原料と実績のある技術により、ポリプロピレンは化石燃料由来の代替品として直接的に代替可能である。生産されるプラスチックは完全に追跡可能で、CO2排出量がマイナスとなるため、顧客のスコープ3排出量の削減に貢献する。
「Vioneo社は、グリーンメタノール由来の原料を用いた大規模かつクリーンな生産が経済的に実現可能であることを証明することで、プラスチック業界の転換を推進している」と、Vioneo社のCEOである Alex Hogan氏は述べている。「Lummus Technologyとの提携により、同社の最高級Novolenポリプロピレン技術のライセンスをアントワープ工場に供与することは、このビジョンの基盤となる。この世界初の工場では、工業的に実証済みのMethanol-To-Olefins 技術から得られる、完全に認証されたグリーンプロピレンとエチレンを使用し、幅広い高品質ドロップイン・バイオポリプロピレングレードを生産することで、持続可能なプラスチック経済を大きく前進させる」
Vioneo社はAP Moller Holdingの傘下にある。AP Mollerによって2024年に設立されたVioneo社は、化石燃料を使用しないプラスチック樹脂の製造と、プラスチック製造に伴うCO2排出量の大幅な削減を通じて、プラスチック製造の変革に取り組んでいる。