トピックス,エネルギー編
仏・TotalEnergiesと仏・Avril、SAF生産に向けたフランスにおける中間作物の開発を調査へ(2025.6)
2025年6月18日、フランスのTotalEnergiesと同国の植物油・タンパク質産業における産業・金融リーダーであるAvril は、航空業界のCO2排出量削減を目指し、持続可能な航空燃料(SAF)生産のための中間作物のフランスにおける開発を共同で検討する契約を締結した。この契約は、2025年までに2%の混合を義務化し、2050年までに70%という目標を掲げるEUのSAFに関する大きな野心を反映している。
●食料生産と競合しない中間作物
中間作物は、同じ区画内で主作物の間に植えられる。そのため、追加の土地を必要とせず、食料や飼料の生産と競合することもなく、農家に新たな収入源を提供する。EUの規制では、中間作物はSAF生産に適合する。これらの作物は植物性タンパク質の生産にもつながり、フランスおよび欧州の飼料主権の維持に貢献する。また、土壌構造の改善による土壌浸食の防止、水分損失の低減、生物多様性の保全など、農業上の様々な利点ももたらすものである。
●SAF生産に適した植物油
契約条件に基づき、TotalEnergiesとAvril は、フランスで実行可能な活動を確立するために、植物の品種選択から SAF 生産までバリュー チェーン全体を共同で評価する。Avrilは、中間作物から得られた植物油をTotalEnergiesに供給し、TotalEnergiesはそれをフランスのバイオリファイナリーとフランスおよびヨーロッパの製油所でコプロセス処理によりSAFに変換する。
「Avril社との契約は、SAF生産のための植物油を生産するフランスの産業発展に向けた重要な一歩である。農業セクターにとっては価値創造の機会となり、業界にとってはSAF生産に必要な原料を確保する機会となる。持続可能な航空燃料は、航空業界のエネルギー転換を支援する。そして、SAF開発は当社の転換戦略の中核を成している」と、TotalEnergiesの再生可能燃料・化学品担当シニアバイスプレジデント、Valérie Goff氏は述べている。
「フランスにおける中間油糧作物からのSAF生産は具体的な形になりつつある。TotalEnergiesとの契約は、航空業界の脱炭素化を支える、効果的で競争力のある地域モデルの構築に向けた決定的な一歩である。これは、Avrilの長年にわたる農業開発の専門知識を活用することで、農業セクターと産業界を共通の目標へと結集させる革新的な取り組みである。TotalEnergiesのような産業パートナーと共に、Avrilは農場から工場まで、すべての関係者に価値を生み出すこの目標を実現する準備ができている」と、Avrilの加工・再生可能エネルギー部門ゼネラルディレクター、Emmanuel Manichon氏は述べている。
詳しくは、→https://presse.avril.com/totalenergies-and-avril-sustainable-aviation-fuel/?lang=en