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三菱ケミカルの植物由来バイオエンプラ、大阪・関西万博の日本政府館に設置の3Dプリンタ製スツールに採用。藻類を混錬(2025.4)
三菱ケミカル㈱は、2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博において、日本政府館に協賛する「双鶴」共創プロジェクトが3Dプリンタで造形する「藻類スツール」のベース素材として、植物由来のバイオエンプラ「DURABIOデュラビオ)」が採用されたと発表した。DURABIOに藻類を混錬した素材を使用し、グラデーションカラーが印象的な意匠性の高いデザインのスツールに仕上げられている。
DURABIOは、植物由来のイソソルバイドが主原料のバイオエンジニアリングプラスチック。従来のポリカーボネート樹脂と比較し、高い透明性、優れた光学特性などの特長があるとともに、植物由来のポリマーでありながら、耐久性や耐候性にも優れた素材である。また、バランスの取れた機械物性は3Dプリンタとの親和性も高く、3Dプリンタ用の素材としての採用実績も増えている。
DURABIOいう素材の特性に加え、同社九州事業所福岡地区で製造している国産バイオマスポリマーであること、インテリア向けの採用実績もあることなどが評価され、「藻類スツール」への採用に至った。
本スツールは、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター センター長である田中浩也氏が企画設計(基本設計)を担当し、同・特任講師である湯浅亮平氏が実施設計(詳細設計)を、慶應義塾大学SFC研究所所員の高橋昭人氏(㈱放電精密加工研究所 所属)が材料設計と色彩調整を担当し、約1年をかけて完成させた。大阪・関西万博の開催期間中、日本政府館に本スツールが約50脚程度設置される。