トピックス,マテリアル他編

エア・リキードとアクポニ、海水型アクアポニックス共同研究イニシアティブ開始(2025.3)

 日本エア・リキード合同会社およびエア・リキードR&Dは、㈱アクポニ(神奈川県横浜市)と革新的な海水利用型アクアポニックスの商業化に向け、共同研究を開始したと発表した。本研究では、持続可能な食料生産に貢献することを目指し、海水アクアポニックスの実用化に向けた知見を深めることを目的としている。

 エア・リキードとアクポニ社は、持続可能で効率的な食糧システムのための新しい海水アクアポニックス技術の実現可能性を評価する。このプロジェクトを通じて、海水環境における水生動物の飼育と植物の成長を促進するソリューションの開発に貢献することを目指している。エア・リキードの水産養殖および水耕栽培におけるガスアプリケーション技術​とアクポニのアクアポニックスシステム構築の専門知識を組み合わせることによるこの革新的なアプローチは、商業規模の海水アクアポニックスとしては世界初の試みとなる。

 具体的には、エア・リキードが長年培ってきた酸素および二酸化炭素の溶解技術を活用し、魚の飼育や植物の成長にかかる時間を短縮することが可能となる。エア・リキードは海水環境におけるこれらのガス利用の設計、製造、設置、データ分析を担当する。一方、全国で52件(2025年3月現在)のアクアポニックス農場導入の実績を持つアクポニは、本研究においてアクアポニックスシステムのデザイン・製造・据付・管理を担当し、エビおよび植物の生産管理を行う。

 アクアポニックスとは、水産養殖(Aquaculture)と水耕栽培(Hydroponics)を組み合わせた循環型システム。魚の排泄物を微生物が分解し、植物の栄養源として再利用することで、化学肥料の使用を大幅に削減することができる。また、植物によって浄化された水を魚の水槽へ戻すことで、水資源の効率的な利用と環境負荷の低減に貢献する。

 従来のアクアポニックスは、淡水魚が中心であり対象魚種が限定的だったが、海水を利用することで、エビや海水魚など市場価値の高い水産物を養殖できる可能性が広がる。

詳しくは、→https://jp.airliquide.com/20250327_pr_aquponi_jp

2025-03-31 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |