研究情報
東京海洋大研究G、東京湾のマイクロプラスチックの総量を25㎥(ton)と推定(2024.9)
国立大学法人東京海洋大学の研究グループは、東京湾のマイクロプラスチック(MP)濃度を海面および海水中で測定し、湾奥および湾内のフロント形成域でMPの分布が著しく高いことを明らかにした。さらに東京湾に存在するMPの総量を推定した。
海洋のあらゆる場所でマイクロプラスチック(MP)が検出されMPのない海域は存在しないといわれている。G20大阪ブルー・オーシャン・ビジョンにおいて2050年には海域に新たに流入するプラスチックをゼロにすると公約している。この実現のためには海域でのMPの詳細な分布やその量の把握が不可欠だ。東京湾は人間活動が活発な地域に囲まれた半閉鎖的な海域である。いままでの調査で海面における大きなサイズのMP(LMP; >350 µm)濃度が高く、汚染が進んだ海域であることが示されているが、海中の微細なサイズのMP(SMP; 350>>50 µm)は定量的に把握されていなかった。
本研究グループは、東京湾を縦断する観測を実施し、海面および海水中の格子状の区画の濃度を決定し、それらの粒子濃度を体積換算することで海域のマイクロプラスチックの総量を明らかにすることができました。ある海域でマイクロプラスチックの総量を示した初めての報告となる。 今回の研究成果は、マイクロプラスチックの海域での挙動、収支の解明につながる科学的知見といえる。 本研究成果は、2024 年 8 月 30 日(英国時間)に国際科学誌「Marine Pollution Bulletin」のオンライン版で公開された。
詳しくは、→https://www.kaiyodai.ac.jp/upload-file/44a5acf1336cb641d3a81804be86ed066ac6caa7.pdf