研究情報
東大・理研等の研究G、培養液3℃加温でレタスの収穫量アップ。植物工場内の新アプローチ(2024.4)
気温が光合成や植物の生育に大きな影響を与えることはよく知られているが、養液栽培の培養液温度(根圏温度)が植物の代謝や生育に与える影響については不明瞭な点が多くある。東京大学、理化学研究所、筑波大学、木更津工業高等専門学校、プランツラボラトリー㈱の研究グループは、人工光型植物工場の養液栽培において、培養液温度(根圏温度)が植物の代謝や生育に与える影響を調査した。養液栽培とは、土を使わずに、肥料を水に溶かした液(培養液)によって作物を栽培する栽培法。人工光型植物工場において、培養液は栽培ベッドとタンクの間を循環する“循環式”がほとんどだ。
本研究では、タンクの培養液を室温に対して3℃加温することによって、植物の生育促進のみならず、カロテノイドやビタミンCなどの機能性成分が向上することを明らかにした。培養液を加温することで、葉のマグネシウムや鉄などのミネラルが増加していることから、培養液を加温することによって、根からの養分の取り込みが促進され、かつ、根では各種アミノ酸含量が増加しており根の代謝が活性化されることによって、養液栽培レタスの生育と機能性成分が向上したと考えられる。本研究成果は、新産業である植物工場において、作物の生産性と機能性成分を増産させる新しい栽培法の開発に貢献することが期待される。
詳しくは、→https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20240416-1.html
2024-04-20 | Posted in 研究情報 |