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三洋化成、英・エコニック社とCO2ポリオールの製造事業開発に関する覚書を締結(2024.4)
三洋化成工業㈱(京都市東山区)は、再生可能炭素に特化した英国のディープテクノロジー企業であるエコニック社(Econic Technologies Ltd)と覚書を締結した。本締結に伴い、三洋化成は、持続可能で高機能なポリウレタンに使用すべく、エコニック社のCO2ポリオールの製造技術を評価していく。両社はポリオールの製品開発やエコニックのCO2 利用技術の活用を進めることで、バリューチェーンの脱石化を図る考えだ。
カーボンリサイクルは CO2を持続可能な炭素源として有効活用する技術で、カーボンニュートラルを実現するキーテクノロジーとして期待されている。エコニック社は CO2をポリオールの骨格に組み込む独自の触媒とプロセス技術を有しており、その技術を使用すれば、カーボンフットプリントを最大30%削減することが期待できる。 さらにエコニック社の CO2ポリオールを製造する技術は、既存の生産工場を活用することで製造プロセスの低コスト化が実現でき、性能とコストを犠牲にすることなく実用化につなげることができる。
ポリオールはポリウレタンを製造するための二大原料の一つとなっている。ポリウレタンは、自動車、家具、マットレス、建築、工業用途の高性能フォーム、コーティング、接着剤、シーラント、エラストマーなど幅広い分野で使用されており、ポリウレタンの石油由来原料への依存度を低下することは、CO2排出量削減へのインパクトが高く、素材の持続可能性をさらに高めることになる。同社は、1960 年にポリプロピレングリコール(PPG)の商業生産を開始して以降、アルキレンオキシド付加技術のパイオニアとして数々の製品を開発しており、国内トップレベルのシェアを持っている。日本のポリウレタン用ポリオールのトップメーカーとして、エコニックの各種ポリオール技術を導入することで、顧客のポリウレタン製品の性能と競争力を大幅に向上させ、ポリウレタン市場の持続的成長に貢献することを目指している。
同社は、エコニックの技術を今後数年以内に事業化すべく評価を進める。さらに、本ポリオール技術をポリウレタン以外にも活用し、新たな持続可能な取り組みへの起点としていく計画だ。
<エコニック・テクノロジーズについて>
エコニック・テクノロジーズは英国を拠点とする再生可能炭素に特化したディープテック企業である。その革新的な触媒とプロセス技術により、メーカーは石油化学製品の代わりに CO2をベースにしたポリマーを製造することができる。CO2の使用は持続可能性を高めると同時に、よりコスト効率が高く、より高性能な最終製品を生み出す。 エコニックは、世界で最も象徴的な消費者ブランドに製品を供給しているポリオール・界面活性剤メーカーにその技術をライセンス供与している。エコニックは 2011 年、インペリアル・カレッジ・ロンドンのシャーロット・ウィリアムズ博士によって設立された。同社はクリーンテック・グループのグローバル・クリーンテック 100 の一員である。世界本社はマンチェスター郊外のアルダリー・パークにある。
詳しくは、→https://www.sanyo-chemical.co.jp/archives/13791
https://www.econic-technologies.com/