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日東電工とエア・ウォーター、バイオマス由来のCO2から牧草保存用添加剤・ギ酸を製造する取り組みを開始(2023.12)
日東電工㈱(大阪市北区)とエア・ウォーター㈱(大阪市中央区)は、日東電工が有するCO2の化学変換技術を活用し、家畜ふん尿バイオマス由来のCO2から牧草の保存に使われるギ酸を製造する取り組みを開始したと発表した。ギ酸は化学式(HCOOH)で表される有機酸製品で、乳牛の飼料である牧草サイレージを生産する際に、劣化を防ぐため、添加剤として使用されている。
本取り組みは、国内有数の家畜ふん尿の処理施設である鹿追町環境保全センターにて実施し、家畜ふん尿由来バイオガスから水素を製造・販売する㈱しかおい水素ファーム(北海道河東郡鹿追町)から各種ガスを供給する。このたびの協業を通じ、CO2の利活用ならびに大気中のCO2を減らす取り組みを加速する。
製造したギ酸は酪農地域でサイレージの添加剤などに利用されるため、CO2の有効利用による社会課題の解決と経済価値の創造の両立に貢献する。両社は、技術実証と並行して、酪農地域の特性を最大限に生かした家畜ふん尿由来の水素エネルギー及び環境負荷の低いギ酸の活用や普及に向けた取り組みを、自治体や地域社会とともに進めることで、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
また、本取り組みで製造するギ酸は、バイオマスである家畜ふん尿由来のCO2を原料とするため、化石燃料由来の既存製法よりも環境負荷の低い製品となる。一般的に、ギ酸は、乳牛の飼料であるサイレージを生産する際に、添加剤として使用されているが、そのほとんどは海外からの輸入に頼っている。バイオマス由来CO2からギ酸を製造することで、酪農地域で不可欠な飼料添加剤の地産地消化が図れると同時に、廃棄物であった家畜ふん尿の再資源化が実現できる。
詳しくは、→https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-24657404183802163353.html