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グリーンピース・ジャパン、ALPS処理水放出開始の決定に、意図的な海洋放出は環境破壊の声明発表(2023.8)
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は8月22日、ALPS(多核種除去設備)処理を施した東京電力福島第一原発の放射能汚染水について、日本政府が、早ければ8月24日から太平洋への放出を開始すると決定したことを受け、声明を発表した。
グリーンピース東アジア 核問題スペシャリスト、ショーン・バーニー氏の発信より
日本政府は、廃炉のために放射能汚染水の海洋放出が必要と説明しているが、実際には水を貯蔵するのに十分な貯蔵スペースがあり、政府自身もそれを認めている。汚染水の長期保管は、つまり現在の廃炉ロードマップの欠陥を認めることになるが、それこそが原発事故収束に必要なことである。福島第一原発は依然として危機的状況にあるにも関わらず、信頼できる廃炉計画はないままである。
IAEAは日本の海洋放出計画を支持したが、ALPSの運転状況は調査しておらず、放射能汚染水を生み出し続けている高レベルの燃料デブリについて触れていない。さらに、周辺国に重大な越境被害をもたらす危険性があるにもかかわらず、国際的な法的義務で義務づけられている包括的な環境影響評価を実施していない。
一方、ジュネーブの国連人権理事会の加盟国や国連特別報告者は、日本の放出計画に反対している。また、計画は、清潔で健康的かつ持続可能な環境を持つことが人権であると定めた、2021年の人権理事会決議48/13に反している。さらに、日本は、近隣諸国への越境的な重大な危害のリスクを考慮し、太平洋への排出について包括的な環境影響評価を実施する法的要件を含む、海洋環境を保護するための国連海洋法条約(UNCLOS)の法的義務を遵守していない。
詳しくは、→https://www.greenpeace.org/japan/campaigns/press-release/2023/08/22/64086/